中国・江蘇省蘇州市で夫を殺害し、遺体を冷凍庫に隠していた女の事件が注目を集めている。紅星新聞など複数の中国メディアが19日付で伝えた。

報道によると、同市に在住の査（チャー）容疑者は夫である龐（パン）さんを殺害した後、自宅の冷凍庫で1年以上にわたり遺体を隠していたとみられている。その間、査容疑者は龐さんの携帯電話のチャットアプリを操作し、龐さんが借金返済のために他の地域に仕事に行っているかのように偽装していたという。夫婦は親戚や友人から数万元（数十万円）の借金をしていたそうだ。

事件が発覚したのは今年2月のことで、査容疑者の家族が冷凍された遺体を発見して警察に通報、査容疑者は自首したと報じられている。発見時の詳しいいきさつについてはまだ報じられていない。安徽省出身の龐さんは不動産仲介業をしていた時に蘇州市で査容疑者と知り合い、2020年に結婚、その後娘が1人生まれている。

龐さんの元同僚は「21年12月下旬から彼と連絡がつかなくなった。電話をかけてもチャットを送っても返事がなかった。最初は忙しいのかなと思っていたが、22年1月にチャットグループで連絡が来た。しかし、誰が打ったのか分からないものだった」などと語った。

また、ある親族は龐さんと最後に会ったのは21年の11月で、同年12月には電話をしたと明かした。その後、チャットを通じて金の無心があったものの「それまでは必ず電話をかけてきていたのにその時はチャットだった。違和感を覚えて貸さなかった」と話した。

電話をかけてもつながらないなど不審な点が多かったことから、親族は1年ほど前に警察に捜索を依頼しようとしたものの「配偶者からの申請でないと受け付けられない」と断られた。査容疑者は「借金を返すためによその土地に働きに出ている。彼とはずっと連絡を取っている」などと説明した。また、今年の春節（旧正月）には龐さんの家族らと食事を共にしていたが、やや痩せたように見えた以外は普段通りだったという。

親族は龐さんが21年12月ごろに殺害されたのではと推察しているが、検死結果はまだ出ていないとのこと。事件の詳しい経緯について、地元警察が調べを進めている。（翻訳・編集/北田）