映画「すずめの戸締まり」が中国で絶好調! 日本映画“買い占め”ブームが来る?―中国メディア

Record China    2023年3月27日(月) 14時0分

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中国で3月24日に公開された新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」がスタートダッシュを決めた。

中国で3月24日に公開された新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」がスタートダッシュを決めた。中国版ツイッター・微博(ウェイボー)のエンタメアカウント・娯理が伝えた。

映画興行データ分析アプリ「灯塔専業版」によると、同作は公開初日の24日に興行収入1億元(約19億円)を突破。26日午前には3億元(約57億円)を突破し、観客動員数は890万人を記録した。観客による評価点も10点満点中9.5点とかなりのハイスコアとなっている。

娯理は「ハリウッド作品や多くの国産映画が評価を落とす中、意外にも日本アニメがこの閑散期の市場で驚くべき勢いを爆発させた」とし、「事前の予想では同作の興行収入は2~3億元とされていたが、現在の状況からすると『君の名は。』(5億7600万元)を抜いて中国における日本映画の興行収入記録を塗り替える可能性が高い」との見通しを示した。

その上で、業界関係者の話として、「日本アニメは一定のファンを獲得している上、同作はベルリン映画祭に出品されるなど注目度・前評判は高かった。新海監督が3月16日に北京を訪問しPRを行ったほか、SNSで積極的に中国での滞在の様子を好意的に発信したことも注目度を高めた」と説明。新海監督は3日間をかけて北京と上海でイベント、インタビュー、ライブ配信をこなすなど、ファンと親密な交流を図ってきたといい、同関係者は「これほどPRに協力的で、積極的にマーケティングのための話題作りができる制作者はほとんどいない。ハリウッドの制作者は3年も中国に来ておらず、新海監督は中国のファンとの双方向の交流に熱心だ」と語った。

同作の中国上映に尽力した路画影視の蔡公明(ツァイ・ゴンミン)CEOは「彼は中国の観客のためにわざわざポスターを描き下ろしたが、そうした例は今までにない。プレミア上映では学生との対話だけが求められていたにもかかわらず、観客の希望にはできる限り応じようとしていた」とした上で、「会場には四川大地震の被災地から来た学生がいたが、その場でのサインが間に合わなかった。すると監督は翌日、その学生にサインを送ってほしいと私に頼んできたんだ」と舞台裏を明かした。

娯理はヒットの理由について、今の映画鑑賞の主力層がジブリ作品よりも「君の名は。」「秒速5センチメートル」などの新海作品を見て育ってきたこと、新海作品には内面的な一貫性があり純愛を貫くところがファン固めに寄与していることなどを指摘したほか、「『すずめの戸締まり』は純愛や青春というベースに、より深い社会的テーマや人文的思慮を内在している。すべての観客が理解できるものではなかったとしても、少なくとも、オープニングを見ればエンディングがほぼ分かるようなハリウッドのヒーロー映画よりも真摯にストーリーが描かれている」と評した。

また、生徒・学生をターゲットに放課後に映画館で同作を見るよう促すキャッチフレーズでPRを展開したことが成功したこと、初日に観賞すると特典グッズがもらえることなども、出だしの好調さに寄与したとしている。

このほか、「日本アニメの観客層が限られているのも事実であり、同作が今後長くヒットし続けられるかどうかは現時点では未知数」とする一方、「(同作の好調ぶりは)ハリウッド映画全体の求心力が低下したのとは対照的であり、同作が最終的に興行収入6~10億元に達すれば、中国における外国映画の導入にも影響を与えるのは必至。今後はあまり期待されてこなかった日本映画の“買い占め”ブームが起きる可能性もある」との見方を示した。

中国では今年、日本のアニメ映画上映が相次いで決定しており、4月4日には「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」の復刻版が、4月20日には「THE FIRST SLAM DUNKスラムダンク)」が、6月1日にはスタジオジブリ宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」がそれぞれ公開される予定だ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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