WBC優勝の栗山監督が記者会見「アジア野球の発展へ手を取り合いたい」=代表選手の奮闘に感謝

Record China    2023年3月28日(火) 7時0分

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第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパンを3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督が凱旋記者会見。「アジアの野球が発展するようみんなで手を取り合っていきたい」と決意を込めた。

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2023年3月27日、第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパンを3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督が東京・内幸町の日本記者クラブで凱旋記者会見に臨んだ。

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栗山監督は、かつて長嶋茂雄氏や王貞治氏ら先輩監督が代表選手たちに伝授した「あなた方は、野球界の伝道師」との同じフレーズを今回も選手に伝えたと言明。その上で「勝ち切る(優勝)なら選手たちのスイッチが入ることが重要であり、選手たちを信頼し、夢を持てるようなチーム作りをするよう心掛けた」と明かした。

台湾メディアの記者から「将来は台湾で野球の伝道師になってもらえないか?」と要望されたのに対し、栗山監督は「アジアには文化の良さがあり、アジア野球が発展していくように、頑張りたい」と笑みを浮かべて熱く応えた。

栗山監督は「台湾には、王柏融(ワン・ボーロン)選手が日本ハムファイターズへ来る時(2018年12月契約合意)に行った。あの時、大谷翔平がアメリカへ行くくらいの感じで(台湾の)皆さんがボーロンに期待していて、(野球への)熱さというものを感じた。翔平も(WBC決勝戦直後に)言っていたが、アジアが持っている文化の良さがあり、僕は野球というスポーツが(アジアの文化に)合っていると思う。『台湾が』とか『韓国が』という時代ではないので、アジアの野球が発展するよう(アジアが)皆で手を取り合っていきたい」と決意を込めた。

日本代表監督としてのプレッシャーについては「予選落ち(=1次ラウンド敗退)するわけにはいかないプレッシャーがあった。『絶対勝たないといけない』と思い、雰囲気が全然違うと感じた」と説明。「人生、この先、あんな感じに追い込まれることはないんじゃないか」と振り返った。

投打二刀流で活躍した大谷(米エンゼルス)の招集について、「翔平は自分が野球界のために何をしないといけないか、理解していた。メジャーで活躍していて、大変だと思うが、使命感からやってくれた」とねぎらった。「日本のスポーツ界のために夢を持てるチームを作らないといけないのは大きな使命であり、果たすことができた」と振り返った。

記者会見の最後に示した揮毫は「感謝―夢が正夢に」謙虚な栗山氏の人柄がにじみ出ていた。

栗山監督は卓越したリーダーシップで侍ジャパンを栄冠に導いた。選手を信頼して成長させ、輝かせる指導はスポーツだけでなく、他の多くの分野にも通じる。

読書家で知られる栗山監督の著書『稚心を去る~一流とそれ以外との差はどこにあるのか』(2019年12月刊行・ワニブックス)では、江戸末期に25年の短い生涯を駆け抜けた橋本佐内の思想を紹介。その著「啓発録」は生きていく上での指針「稚心を去る」が示されている。

成長を妨げているのは「子どもっぽい心」、つまり「わがまま」であるケースが多い。皆の心の中に「大人の心」と「子どもっぽい心」が共存していて、うまくいかないと、すぐに「子どもっぽい心」が出てきて、人を「わがまま」にさせる。結果が出ていないときにどうやって「大人の心」を引き出すかが監督の仕事で、それは「稚心を去る」ことであると栗山監督は説く。

このほか、栗山監督が引用するのが徳川家康の愛読書といわれる「貞観政要」。唐王朝の2代皇帝・太宗が治めた貞観の時代、城の門には石段が2段しかなかった。「これで守りは大丈夫か」と訊かれると、「本当に愛情を持って民に尽くしている王であれば、民が守ってくれるから大丈夫だ」と答えた。物事を成すには、上に立つ者が人々に尽くさなければならないという教えである。

栗山氏は監督として「どうすれば選手にとって一番いいことなのか」ということだけを考え続けてきたという。「チームのために勝つことと、選手を育てることとは時に相反する」と考えがちだが、「絶対イコールだと信じてやってきた」と強調する。この日の記者会見の中で栗山監督は「できるかできないかではない。やるかやらないかだ」と力を込めた。この確信と信頼がWBC制覇に繋がったのだろう。(八牧浩行

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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