中国人の海外旅行再開で東南アジア諸国が客引き合戦、安全リスクも―中国メディア

Record China    2023年3月29日(水) 16時0分

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27日、南方都市報は、東南アジア諸国が経済回復の起爆剤として中国人観光客の誘致に力を入れていることを報じた。写真は虹橋国際空港。

2023年3月27日、中国メディアの南方都市報は、東南アジア諸国が経済回復の起爆剤として中国人観光客の誘致に力を入れていることを報じた。

記事は、タイを始めとする東南アジアの多くの国が中国人観光客を超熱烈歓迎しており、より多くの観光客を呼び込むためのさまざまな措置を打ち出していると紹介。昨年1年間の中国人観光客数が28万6000人にとどまったタイでは今年の目標を500万人に設定しており、フィリピンも年間外国人観光客目標を約480万人とし、その主力として中国人観光客の誘致に注力する姿勢を示しているとした。また、インドネシア政府も今年約25万人の中国人観光客を呼び込む目標を立て、現地の観光業回復加速、より多くの雇用創出を期するほか、カンボジアも今年80〜100万人の中国人観光客受け入れの目標を達成すべく、全国の観光業者に対して中国人観光客の人民元を直接受け取ることを許可するなどの措置を取っていると伝えた。

一方で、新型コロナ前まではコストパフォーマンスの高さが東南アジア観光の魅力の一つだったものの、最近ではネット上で「貧乏人はタイ旅行に行けない」など、観光コストが上昇していることが注目されていると指摘。観光客だけでなく旅行会社関係者もコスト増を肌で感じ取っており、タイで常用するシティホテルの宿泊料がコロナ前の1泊400元(約7600円)前後から650元(約1万2000円)前後と約60%上昇したほか、食事代も約2倍になっていると語ったことを紹介するとともに、中国旅行研究院の戴斌(ダイ・ビン)院長が「海外旅行市場が回復する中で航空路線などのサプライチェーンが完全に回復しておらず、供給が需要に追いついていない。この状況で価格が上昇するのは必然だ」と解説したことを伝えている。

また、コストの上昇とともに、東南アジア旅行の安全性に関する問題も近頃注目を集めていると紹介。フィリピンではここ数年オンラインカジノや電信詐欺に絡む中国人の誘拐、監禁事件が頻発しているほか、タイでは先月プーケットとで中国人観光客と現地旅行会社がトラブルとなり、旅行会社関係者が観光客を刃物で傷つける事件が起きたとしたほか、中国のネット上では東南アジア旅行の安全に関連するさまざまな憶測や根拠のない情報も飛び交っており、タイ政府が安全性を強調するなどの対応に追われていると紹介した。

記事は「近頃東南アジア旅行をめぐる議論が繰り広げられているが、中国人観光客の旅行のモチベーションは依然として高い」として、旅行予約プラットフォームではこの1カ月で国際航空券の予約量、ビザの問い合わせ数、ビザ手続き申請数いずれも前年同時期より大幅に増加していると紹介。中でもタイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどに人気が集中していると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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