Record China 2023年3月28日(火) 22時0分
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今月24日に中国で公開された新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」が絶好調のスタートを切った。
今月24日に中国で公開された新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」が絶好調のスタートを切った。中国のエンタメメディア・捜狐娯楽は28日、同作の人気の背景について分析する記事を掲載した。
中国の映画市場で3月は一般に冷え込むと言われる時期だが、そうした状況が「すずめの戸締まり」の勢いをさらに際立たせている。記事によると、興行収入は28日朝の時点で3億6700万元(約69億円)に達し、今年の中国における映画興行収入ランキングの9位に入った。外国映画としては、今年2月公開の「アントマン&ワスプ:クアントマニア」(2億7200万元)をわずか3日間で軽々と抜いて首位に立っている。なお、観客動員数は1084万人に達している。
記事は、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)やビリビリ動画(bilibili)などのSNSでは同作の人気が高く、「新海誠と中国の観客との3年の約束」「新海誠の集大成」などの話題が多く見られるとする一方、実際には全国民向けではなく「ファンのための映画」という側面が強いと指摘。大手口コミサイトのユーザーによる評価点はまちまちで、中でも豆瓣(douban)ではスタート時の7.9点(10点満点)から3日後には7.5点と評価を下げており、「君の名は。」の8.5点には遠く及ばないと説明した。
また、1日当たりの興行収入も公開から2日目の土曜日(25日)には1億5300万元(約29億円)に達したものの、翌日曜日(26日)には9400万元(約17億8000万円)と大幅に落ち込み、映画・ドラマ情報サイトの猫眼専業版も公開当初に「8億元(約152億円)」としていた同作の最終的な興行収入予測を「6億元(約113億円)」足らずに引き下げたと紹介した。
記事は、猫眼専業版で「すずめの戸締まり」を「見たい」と回答したユーザー約83万人のうち、20歳以下が34.9%、20~24歳が31.6%と、合わせて66.5%を占めていると指摘。これは他の中国国産アニメ映画(40%台から50%台後半)と比べても極端に若い層に偏っていることが分かり、中国全土で大ヒットしたアニメ「哪吒」では40%未満(つまり全年齢層に人気)だとした。
また、性別についても、中国国産アニメでは軒並み男性の「見たい」人の割合が30%台中盤から後半にとどまっているのに対し、「すずめの戸締まり」では男性が52.3%になっていることも大きな特徴だとした。
そして、「新海監督の作品は恋愛がテーマであることが多く、ヒロインの年齢はほぼ10代。刺さるのは中高生であり、蓄積されるファン層は自然と全国の少年少女ということになる」とし、「中国の『00后』(2000年代生まれ)は一人っ子で、生活の中に日本の漫画文化、オタク文化、(アイドルなどの)ファン文化などさまざまな文化を受け入れてきた世代」と説明。「ハリウッド映画にありがちなヒーローが世界を救うというテーマとは異なり、個人を犠牲にして多くの人を助けるというストーリーも東アジア圏では理解されやすい」と評した。
記事は、日本アニメに限らず、中国の観客たちのアニメを受け入れる雰囲気は高まり続けているとし、「すずめの戸締まり」は中国における日本アニメ映画の興行収入記録である「君の名は。」の5億7600万元は更新するだろうと予想。さらに、公開を控える「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」、「THE FIRST SLAM DUNK(スラムダンク)」、「天空の城ラピュタ」にも記録更新の可能性があると述べている。(翻訳・編集/北田)
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