人生90年の足跡―体験で語る日本と中国―(15)「統促会」存亡の危機を脱出

凌星光    2023年7月1日(土) 16時0分

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コラム「人生90年の足跡―体験で語る日本と中国―」第15回は「統促会存亡の危機を脱出」。

15.「統促会」存亡の危機を脱出

2017年、2年1期の過渡期を想定して、私は全日本華僑華人中国平和統一促進会(全日本統促会)の会長を引き受けざるを得なくなりました。台湾問題は内政問題であるが国際性があるというのが私の持論でした。そこで定款を修正し、祖国の平和統一を図ると同時に、日中友好の促進に努めるという二つ目の主旨を加えました。つまり、日本の方々の平和統一への理解と同情を得る必要があるということです。

台湾をめぐる日本の世論はたいへん厳しい状況にありますが、われわれの努力でこれを変えていくという強い意志を示しました。ここ数年の動きを見れば、この方向性は明らかに正しかったのですが、力及ばずして思うような成果を上げることはできませんでした。

というのも、私が夢にも思わなかった組織の分裂が起こったからです。私が会長になり、新華僑華人のメンバーを増やそうとしたとき、第三の統促会が誕生し、多くの新華僑華人がそのメンバーとなったのです。もともと二つの組織を統一する方向で努力しようと思っていたのですが、統一どころかさらに三つの組織へと分裂してしまったのです。一時期、私は孤立無援の状況下におかれ、組織は存亡の危機にひんしました。

このような状況下で身を引くわけにはいかず、2年1期の想定は諦め、2期目もやることにしました。悪戦苦闘の末、協力者を徐々に増やすことができ、2021年秋から選挙で新会長を選ぶ準備に取り掛かりました。厳密な選挙を経て、昨年3月、新しい会長にバトンタッチすることができました。

現在、私たちの組織は全く新しい局面が展開されています。この記事もその表れの一つです。皆さんの協力に深く感謝すると共に、わが会のさらなる発展を固く信じています。

■筆者プロフィール:凌星光

1933年生まれ、福井県立大学名誉教授。1952年一橋大学経済学部、1953年上海財経学院(現大学)国民経済計画学部、1971年河北大学外国語学部教師、1978年中国社会科学院世界経済政治研究所、1990年金沢大学経済学部、1992年福井県立大学経済学部教授などを歴任。

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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