Record China 2023年4月12日(水) 13時0分
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11日、観察者網は、中国国内で再び大規模な黄砂が発生したことについて、ネット上ではモンゴルのせいではないのかとの声が出ていると報じた。写真は11日の内モンゴル自治区フフホト市。
2023年4月11日、中国メディアの観察者網は、中国国内で再び大規模な黄砂が発生したことについて、ネット上ではモンゴルのせいではないのかとの声が出ていると報じた。
記事は、北京市では10日午後8時に強力な偏西風によって運ばれた黄砂によってPM10の濃度が1立方メートル当たり400マイクログラムから1321マイクログラムに急上昇して重度汚染状態になり、同10時に1384マイクログラムのピークを迎えた後も夜の間は1000マイクログラムの非常に高い水準を維持したと紹介。隣接する天津市でも同11時に1200マイクログラムのピーク値を記録したと伝えた。
そして、大規模な黄砂が再び襲来したことでネット上では「黄砂を止める唯一の方法は、モンゴルの遊牧民による過度の放牧を止めさせ、草原の大規模な砂漠化を阻止することだ」などといった議論が巻き起こったとした。
その上で「黄砂はモンゴルのせい」という見方に対する専門家の意見を紹介。中国科学院植物研究所の李昂(リー・アン)博士が最近の黄砂の発生源は確かにモンゴルであり、モンゴルが工業化の初期段階にあること、越冬した家畜の動きが活発になって砂埃が大量に巻き上がることなどが黄砂発生の要因になっているとの見方を示す一方で「わが国の一部地域における春の開墾も黄砂発生の原因の一つだ」と指摘したことを伝えた。
また、中国気象サービス協会の許小峰(シュー・シアオフォン)会長が「黄砂の発生は人類の不適切な活動に関係するとはいえ、総じて言えば自然現象の一つであり、昔から存在し続けた」と述べ、モンゴル国内だけでなく内モンゴル自治区を含む中国の北西地域には黄砂を起こす地理的条件があり、環境条件が重なることで実際に黄砂が起こりうると述べたことを紹介している。
さらに、中国林業科学研究院荒漠化研究所の呉波(ウー・ボー)所長は、中国の砂漠地帯では緑化が進んでいることで発生リスク低減に一定の効果が出ている一方で、ゴビ砂漠があるモンゴル南部では昨年の地被植物の生育状況が例年より思わしくなかったとの見解を示したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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