Record China 2023年4月27日(木) 19時0分
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中国メディアの中国新聞網は27日、映画「THE FIRST SLAM DUNK」について、「映画館には行っていないけどSNSのグループで観た」という人が現れるほど盗撮が深刻になっていると伝えた。
中国メディアの中国新聞網は27日、中国で大ヒットを記録している日本のアニメーション映画「THE FIRST SLAM DUNK(スラムダンク)」について、「映画館には行っていないけどSNSのグループで観た」というユーザーが現れるほど盗撮が深刻になっていると伝えた。
同作は今月20日に中国で公開されると、瞬く間に大ヒットを記録。前売りの興行収入で海外アニメ映画歴代1位を記録したほか、公開からわずか5日で興行収入4億元(約78億円)を突破しており、日本アニメ映画歴代1位の「すずめの戸締まり」(現在も公開中)を超えるとも予想されている。
一方で、人気に比例するように映画館での盗撮も増えている。映画「スラムダンク」の微博(ウェイボー)公式アカウントが盗撮をしないよう注意を呼び掛けたものの、SNSではネタバレ画像やショート動画の投稿はやむ気配はなく、25日には「スラムダンクが史上最悪のスクリーン撮影に遭う」が微博でトレンド入りした。
記事によると、同作のハイライト部分を編集してまとめSNSで公開し、多数の「いいね」を獲得するネットユーザーもいた。公開初日に映画館に足を運んだというある観客は「SNSでは1日中(『スラムダンク』の画像や動画が)飛び交っていました。特に公開初日の午前0時の回は(盗撮が)ひどかったです。SNSに複数枚の写真をアップするため、たくさんの写真を撮影している人もいました」と明かした。
ただ、「映画館で迷惑になるのは間違いありませんが、インターネットがこれだけ普及している状況ではそれを止める方法はほぼありません」とし、「今、こうした行為が行われていない映画があるでしょうか。自分で自分を律するしかありません。私は発表されているポスターや公式画像を探してSNSでシェアするようにしています」と語った。
小学生のころからスラムダンクの大ファンだという薛(シュエ)さんは「何年も待っていました。今回の映画は夢がかなったようなものです」と期待に胸を膨らませるが、SNSで「ネタバレ」に遭った。「まだ観ていないのですが、予告とSNS、ショート動画プラットフォームへの投稿を見ると、大体のあらすじが分かってしまいます」とし、「共有したいという人の気持ちも分かりますが、映画の興行収入の損失につながりますし、中国の映画産業にとってもダメージになります。ファンであるならやるべきではありません」と苦言を呈した。
記事によると、盗撮をめぐっては否定派と肯定派とで意見が割れているといい、「著作権の侵害だ」と訴える人もいる一方、「映画を観た人がSNSで発信することでより多くの人が映画館に足を運ぶようになる」と主張する声もあるようだ。
しかし、脚本家の柳絮氏は「自分の言葉で感想を語るなど、他の方法で口コミを広げることも十分可能だ」と指摘。今回の映画「スラムダンク」の画風はスマートフォンで撮影した場合、荒っぽく見えてしまうという特徴があるため、そうした投稿を見た人が映画館に足を運びたくなるかは疑問とした上で、「映画館ではグッズも販売されており、撮影できるスポットもある。映画の盗撮は著作権者を極めて尊重しない行為だ」と非難した。
映画館での盗撮行為は権利侵害になるのかについて、ネット上には「写真撮影なら権利侵害にはならない」「全編を録画した場合は違法だが、一部の録画は違法ではない」「私が利益を得ているわけではないから権利侵害ではない」といった主張が並ぶが、北京清律法律事務所の左●●(ズオ・ツイツイ。●=王へんに崔)弁護士は、まず「中華人民共和国映画産業促進法」第31条では上映中の映画の録音・録画を明確に禁止していると指摘。録音・録画自体が違法行為であることを前提とした上で、その撮影物が権利侵害を構成するかについては使用の性質と目的、伝播の範囲や侵害の程度によって変わるとの見方を示した。
映画を盗撮し、SNSなどで拡散する行為について「なぜ著作権者は彼らを訴えないのか」との声もあるが、左弁護士は「現実的に考えて、映画の上映期間中に著作権者が訴訟を起こす可能性は低い。訴訟が長くなり、裁判で得られる利益も少ない。映画の宣伝に影響を及ぼす可能性もある」と述べた。
記事は「スクリーンの盗撮問題はこのようにジレンマに陥っている」とする一方、「中華人民共和国映画産業促進法」では「録音・録画が行われていることを発見した映画館スタッフはそれを制止し、削除を求める権利がある。従わない場合はその場を離れるよう要求する権利がある」と定められていると説明。盗撮行為を目にした場合はスタッフに報告することが、現在のところの良策だとしている。(翻訳・編集/北田)
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