米国の対中半導体輸出規制がむしろ逆に中国企業の最先端AI技術開発を加速させる―中国メディア

Record China    2023年5月10日(水) 9時0分

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中国メディアの観察者網は8日、「米国の対中半導体輸出規制がむしろ逆に中国企業の最先端人工知能技術開発を加速させている」とする記事を掲載した。

中国メディアの観察者網は8日、「米国の対中半導体輸出規制がむしろ逆に中国企業の最先端人工知能(AI)技術開発を加速させている」とする記事を掲載した。

観察者網の記事はまず、「中国のテクノロジー企業は、米政府の対中制裁を受け、米国製の最新の半導体に依存せず最先端のAI技術開発を加速している」とする米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の7日付記事を取り上げた。

WSJの記事によると、中国企業は使用する半導体の数を削減したり、より性能が低い半導体を使いつつも、最先端のAIパフォーマンスを達成できる技術を研究していることが、研究論文や従業員への調査で分かった。複数の異なる半導体を組み合わせることで、単一のハードウエアに依存しないで済む方法も研究されているという。

既存の半導体からより多くの実用性を引き出す方法を模索している企業には、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や検索エンジン大手の百度(バイドゥ)、電子商取引最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)などが含まれる。

研究者やアナリストらは、これら回避策を使ってAI分野をリードする米企業に追いつくにはまだ大きな課題が残っているとする一方、一部の実験では期待できる結果が示されていると指摘。研究がうまく進めば中国企業は対中制裁を回避しつつ、将来的な制裁にもより弾力性を示せることになるという。

観察者網の記事は次に、「中国の半導体製造装置メーカーは米国による貿易制限の中で恩恵を受ける」とする香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の2日付記事を取り上げた。

SCMPの記事によると、中国の主要な半導体製造装置メーカーは昨年、高い売り上げと利益を上げたことが、最新の財務開示で分かった。半導体製造工場にウエハーを販売する上海硅産業集団(NSIG)は、中国の集積回路メーカーからの旺盛な需要により、昨年の売り上げが前年比46%増の36億元(約710億円)に達した。北方華創科技集団(NAURA)も昨年の売り上げが前年比51.7%増の147億元(約2902億円)に達し、中微半導体設備(AMEC)が3月に発表した年次報告書によると、昨年の売り上げは前年比52.5%増の47億元(約928億円)、純利益は同15.6%増の12億元(約237億円)だった。

テックインサイトのシニア半導体業界アナリスト、Sravan Kundojjala氏によると、米国の制裁は半導体技術における中国の野望を前進させ、中国の製造装置メーカーの売り上げ増を後押しした。中国の主要な半導体製造装置メーカーは、貿易制限を順守するために中国での操業を停止した米国のサプライヤーが残した空白を埋めた。

観察者網の記事はさらに、「米国の半導体企業は政府の国家安全保障上の懸念にもかかわらず中国市場へのアクセスを望んでいる」とする米ブルームバーグの2日付記事も取り上げた。

それによると、米半導体工業会(SIA)のプレジデント兼最高経営責任者(CEO)、ジョン・ニューファー氏は、中国について「私たちにとって最大の市場であり、それ(中国市場へのアクセス)を主張する業界は私たちだけではない。私たちはその市場でプレーする必要があると考えている」と述べた。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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