台湾の半導体産業の内憂は人材不足だけではない―中国シンクタンク研究員

Record China    2023年5月20日(土) 8時0分

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中国紙・環球時報(電子版)は17日、「台湾の半導体産業の内憂は人材不足だけではない」とする中国のシンクタンク研究員による論評記事を掲載した。資料写真。

中国紙・環球時報(電子版)は17日、「台湾の半導体産業の内憂は人材不足だけではない」とする論評記事を掲載した。筆者は中国のシンクタンク、正奇経緯智庫の李牧野(リー・ムーイエ)特約研究員。

記事によると、台湾の半導体産業は、社会変革と長期にわたる少子化による予備人材不足という大きな課題に直面している。

記事は「台湾ではSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の大学生の数と割合が減少傾向にある」と指摘し、「2021年の学生数は11年比約8万人減の約38万人で、割合は32.5%にまで低下。半導体の受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)などのハイテク企業は、採用基準を非理工系や高卒者にまで引き下げることを余儀なくされている」とした。

記事によると、台湾の半導体産業のもう一つの「内憂」が、電力不足だ。半導体製造は非常に電力を消費し、使用される高精度の半導体製造装置は一定の温度や湿度などの複雑な環境下でも安定して動作する必要があり、非常に高い電源安定性が求められる。さらに、チップの生産能力が向上し、製造プロセスが高度化するほど、より多くの電力が必要となる。TSMCの電力消費量はすさまじく、25年には台湾全体のエネルギー消費量の8分の1を占めると見込まれている。

記事は「しかし台湾の電力供給がこの需要を満たすことができるかには疑問符が付く」とし、台湾の民進党政権が25年までに原発のない郷土を目指す「2025非核家園」を掲げていることに言及し、「再生可能エネルギーの開発を強力に進め、25年にはその割合を20%にまで高めると同時に、ガス火力50%、石炭火力30%にするとしている。しかし現状を見ると、天然ガスと再生可能エネルギーの開発の進行は著しく遅れており、約束が実現されないことがほぼ確定している」とした。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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