「天空の城ラピュタ」が無数の観客に認められる理由―中国メディア

Record China    2023年6月17日(土) 20時0分

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14日、中国メディアの北京晩報は「天空の城ラピュタ」についての評論を掲載した。

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2023年6月14日、中国メディアの北京晩報は「天空の城ラピュタ」についての評論を掲載した。

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文章はまず、「日本のアニメの巨匠である宮崎駿氏が監督し、1986年に公開された『天空の城ラピュタ』のデジタルリマスター版が現在、中国全土で公開されている」とした上で、「この作品は宮崎氏の最高の作品とされており、無数の映画ファンの懐かしさを一気に呼び起こした。同作は全ての観客が自分にとっての感動するシーンを挙げることができるのだ。『天空の城ラピュタ』は、1985年に設立されたスタジオジブリが初めて公開したスチームパンク風のアニメ映画で、宮崎氏が小学校に入学した頃から構想が練られており、『風の谷のナウシカ』が終わってからわずか5分でこの物語を生み出した」と紹介。一方で、「2009年にジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が公開された後、同作に登場する“ハレルヤ山”は『天空の城ラピュタ』から盗用したと指摘する人が現れたが、キャメロン氏は北京での取材で否定した」と騒動に言及した。

続けて、「1980年代には多くの名作映画が誕生し、その後の映画制作に大きな影響を与えた。1981年に制作されたスピルバーグ監督の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は、ハリソン・フォードが演じた考古学教授のインディアナ・ジョーンズが米軍に頼まれ、エジプトで“聖櫃”を探し、ドイツのナチスの手先たちと戦う物語。作中の“聖櫃”の設定は『天空の城ラピュタ』と似ている点がある。それは、誰かが持つことで世界を支配するエネルギーが得られる点だ。このような設定はその後、一種のモデルケースとなった」と指摘した。


また、「宮崎氏はキャラクター設定をよく把握している」とも言及。「彼の映画の主役のほとんどは少年少女で、この年頃特有の敏感で純情、かつ脆弱(ぜいじゃく)な一面と、輝かしい未来への憧れもあり、理想のために戦う勇気と自信を持っている。若い観客にとっては勇敢で熱い心を見ることができる上、大人の観客にとっても自分の若い頃の影を見ることができ、やるせなさを感じながら過去を振り返るその瞬間こそ、どうしようもなく感動を呼ぶのだ」と述べた。

さらに、「二次元アニメ映画として『天空の城ラピュタ』は作画の美しさや想像力に優れており、今見ても飛行シーンや天空に浮かぶラピュタの細かな描写は新鮮だ。宮崎氏が数十年にわたって世界の映画業界に君臨してきたのはこの点にある」と評価した。

文章は、「天空の城ラピュタ」について、あるネットユーザーが「誰もが心の中に『天空の城ラピュタ』を持っている。ラピュタは理想であり、楽園であり、純潔の究極の形だ。だが私たちは成長するにつれて、物欲、支配欲にあふれ、他人の持つものを奪う心のない“機械”になってしまう。私たちは純粋さを持ち続けるべきで、この世界のために自分が完全に変わる必要はない。私たちは可能な限り本当の自分に一歩一歩近づいていくべきなのだ」と総括したことを紹介した上で、「もしかしたらこの点こそが、同作が無数の観客に認められる最も大きな理由なのかもしれない」と締めくくった。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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