Record China 2023年6月17日(土) 19時0分
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華字メディアの日本華僑報網は15日、「日本サッカーはとっくに脱亜入欧を果たしている」と題する記事を掲載した。
記事は、今日本のサッカー界で最も注目されている話題は、鎌田大地が本田圭佑に続いてセリエAの名門ACミランに移籍するかということだと説明。ほかにも、久保建英の市場価値が3000万ユーロを突破し将来の成長が楽しみなこと、冨安建洋が来季もアーセナルの守備陣を支えてリーグ優勝を勝ち取ることができるかということ、異彩を放ち続ける三笘薫はブライトンに残留するのかということなど、話題が豊富にあるとした。
一方で、こうしたスターは5大リーグ(イタリア、スペイン、イングランド、ドイツ、フランス)のほんの一握りのトップの話であり、実際、より恐るべきはその数だと指摘。「ドイツの移籍情報サイト・トランスファーマルクトのデータで、2021-22シーズンに欧州クラブに所属している日本人選手は451人に達し、5大リーグだけでも295人を占める。他の海外リーグも含めると、海外組は500人を超える」と紹介した。
その上で、「(日本の)実力レベルは数十の代表チームを組めるほど。そして、これには国内のJリーグのハイレベルな選手たちがまだ含まれていないのだ」とし、「逆に近年の中国サッカーを振り返ると、海外に移籍した選手が大量に出戻りする現象は全くもって理解ができない」と切って捨てた。
記事は、「昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会で日本はベスト16で敗退したものの、ドイツとスペインを破る活躍を見せたことで日本人選手の評価が高騰しており、このままいけば日本人選手の欧州での視界は良好だ」と指摘。「中国の主要メディアは日本を『アジアの光』とたたえているが、必ずしもそうではない」とし、その理由について「サッカーにおいて日本は真の意味で理想的な『脱亜入欧』を果たしている」とした。
そして、「1980年代までは中国の方が優位に立っていたものの、川淵三郎氏らの改革により双方の立場は一気に逆転。1996年には『百年構想』が打ち立てられ、2015年にサッカーファミリーを500万人にすること、2050年には1000万人に拡大し、W杯を自国開催して優勝することなどが掲げられた。15年の小さな目標は達成され、しかも11年にはなでしこジャパンがW杯で優勝したのだ」と強調した。
また、「日本のサッカークラブは定期的にイベントを行うなどさまざまな取り組みを通して地域との結びつきを強め、それと同時に各プロクラブも独自のスクールを設置しており、人材発掘に余念がない」と紹介。中国では2000~14年にサッカーをしている小中学生の数がわずか5000人しかおらず、サッカー強国の数十万~百万超には遠く及ばないとし、中国では「アスリートっぽい」選手が選出されるがこれでは中国サッカーが台頭しないのも無理はなく、選手予備軍が100万人規模の日本と人材について語る資格はないと断じた。
さらに、「どこか(中国)の吸血体制のクラブとは異なり、日本のクラブは選手を欧州に送り出すために自分たちの利益すら犠牲にすることもいとわない」と言及。川崎フロンターレが三笘をわずか300万ユーロでブライトンに送り出し、往年の名選手マイケル・オーウェン氏に「コスパ最高」と言わしめたこと、ほかにも、前田大然や堂安律、田中碧、冨安らも非常に「安価」で欧州のクラブに移籍したことを紹介した。
さらに、「日本人選手は自身のキャリアプランについてもとても理性的で変態的」と表現。三笘が18歳の時にプロではなく筑波大進学を選んだこと、陸上の専門家から学んだり栄養学を学んだりして自身の体づくりをしたこと、将来の海外移籍に向けて英語の勉強にも積極的に取り組んだこと、そして卒業論文までが「サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究」だったことを挙げ、「これが後に彼がプレミアリーグの左サイドを制覇する根幹となった」と述べた。
記事は、「日本人選手には強くなるには回り道をしてでも着実にステップアップした方がいいという考えが少なくない。彼らの目標は最初から世界のトップリーグに定められている」としたほか、昨年の第101回全国高校サッカー選手権大会には3883校が参加し、決勝戦では5万以上の席が満席となる盛り上がりだったことに言及。「一方、われわれの代表は、サポーターが『メンツも何もない』と叫ぶほかに言葉がないような状態なのだ」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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