「ポケモンカード」大量窃盗で浮き彫りになった日本アニメ経済の実態―華字メディア

Record China    2023年6月22日(木) 9時0分

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15日、日本華僑報網は、「『ポケモンカード』大量窃盗で浮き彫りになった日本アニメ経済の実態」と題する文章を掲載した。

2023年6月15日、華字メディアの日本華僑報網は、「『ポケモンカード』大量窃盗で浮き彫りになった日本アニメ経済の実態」と題する文章を掲載した。

文章はまず、「日本はアニメ大国として、数多くの有名作品が世界を席巻し、それらの作品は日本文化の輸出の担い手かつ“看板”であり、日本経済における柱の一つでもある」とした上で、「アニメ・映像作品や書籍の他、スマホゲーム、フィギュアなどのグッズが数え切れないほど存在する。それらにはまったファンからすれば、その熱狂ぶりは“商品に命をささげる”ほどと言っても過言ではない」と述べた。

その上で、「注目すべきは、近年、日本で多くの『ポケットモンスター』シリーズのカード盗難事件が続けて発生していることだ」とし、「メディアや統計によると、今年2月以来、東京都内の2人がカード専門店に侵入して約2600万円分のカードを盗み、4月には秋葉原で約1000枚のカード窃盗事件が発生、5月には山梨県でも約1万2000枚のカードの窃盗事件が発生し、さらに同月13日に熊本県では被害額が約650万円に上るカード盗難事件が発生した」と説明。「このような事件は断続的に発生し、ファンの度を越えた熱狂ぶりが動機なのであれば不思議ではないかもしれない。どこにでもこのようなファンはいるが、それでも事件の背景が単純ではないことは明らかだ」と言及した。

文章は「輝かしいアニメ大国の裏にある影の産業」とした上で、「株式会社ポケモンの統計によると、今年3月時点で同シリーズのカードは世界で累計製造枚数が529億枚を超えており、原価は5枚で200円に過ぎないが、人気が爆発し価格が高騰。1枚のカードが数百万、数千万、さらには数億に上ることも珍しくなく、需要があれば供給もあるという状態だ」と続けた。

また、「“カード投資”は目に見えないブームとなっており、 転売ヤーも密かに出現。商品を販売する上で、アニメ関連会社の当初の客に対する願いからはますます遠ざかる事態となった。小さなカードは持ち運びしやすいことに加え、お金を愛する人々のターゲットになりつつある。勢いが止まらないアニメ文化の裏では、すでに利益のために動き回る勢力が存在していたのだ」と述べた。

文章はこの事態を、「過度な崇拝が生んだいびつな価値観」と形容し、「アニメ産業大国の日本では、コンテンツに夢中になっている人々からすると“四方八方に黄金がある”状態なのだろう」と指摘。「まだ学生という身分の若者から、社会人デビューしたてのサラリーマン、さらには中高年のおじさんおばさんまで、日本のアニメは多くの年齢層の日常生活に浸透し、深く影響を与えている。よく言われているが、『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』だ。過度な(コンテンツへの)崇拝は一部の人が大金を惜しまず使うことを助長している。それが違法であることを知っていても私利私欲を満たし、盗難事件にまで及ぶ事態となった」とした。

さらに、「政府は“ブランドイメージ”保護の下、規制は緩やかに行っている」とし、「『ポケモン』は日本の最も典型的なブランドの代表であり、文化から経済、そして、政治や外交に至るまで強い存在感を持っている。長年、日本政府は人材育成、商品設計、産業の連携、イメージ管理と海外へのブランディングなど各方面で多大な力を惜しまず、この鮮やかな“ブランドイメージ”を丁寧に保護してきた」と言及。

一方で、「コインには決まって表と裏がある。政府の強力な支援の裏面とは、アニメ産業の背後で派生するさまざまな問題を無視することである。ある専門家は、市場経済が“自由”を意味しても、カードの正常範囲を明らかに超える高額な売買はそもそも正常ではなく、極端に放任された産業の拡張と成長があると指摘している。このような“異常”の中で政府は見て見ぬふりをするが、明らかに責任を免れない事態だ」と指摘した。

最後に文章は、「産業が良い方向に発展するには、文化を保つ必要性があり、市場に依存する面もあるが、適度にコントロールする必要がある。どのように産業の繁栄における多くの課題に対処するかは、アニメ大国日本にとって新たな試練であり、中国を含むアニメ文化産業の発展を加速させている他の国々にとっては、いい参考例となってくれるだろう」と総括した。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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