Record China 2023年6月21日(水) 9時0分
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華字メディアの日本華僑報網は19日、中国で行われたサッカーアルゼンチン代表の試合中に少年がグラウンドに侵入した騒動について、「なぜ日本では起こらないのか」とする記事を掲載した。
華字メディアの日本華僑報網は19日、中国で行われたサッカーアルゼンチン代表の試合中に少年がグラウンドに侵入してメッシに抱きついた騒動について、「なぜ日本では起こらないのか」とする記事を掲載した。
今月15日に北京工人体育場で行われたアルゼンチン対オーストラリアの試合中、10代の少年がスタンドから飛び降り、警備員をかいくぐってグラウンドに侵入、スター選手であるメッシに抱きつき、GKマルティネスともハイタッチを交わした。最終的に警備員らに捕まりスタンドに戻された少年には、後日、行政拘留と12カ月間のスタジアム入場禁止の罰が下された。
記事は、「このような行為は決して推奨されるものではないが、海外では熱狂的なファンによる同様の行為は非常によく見られるためか、当時スタンドにいたファンもそうでないファンも、少年を厳しく責めることはなかった」と説明。むしろ「勇気に感服する」「私がやりたいと思っていたことをやってくれた」「これが青春。夢をかなえた。うらやましい」といった声まで上がっていると紹介した。
その上で、「東アジアの国々は欧米に比べて感情表現が大きくないとされている。そのため、中国だけでなくその他の東アジアの国でもこうした行為は非常に珍しい」とし、「例えば日本ではこうした熱狂的な行為が再現されることは、基本的にあまりない」と指摘。昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会での日本サポーターの応援も欧米に比べると抑制的に見え、注目を集めるとしてもそれは奇抜な格好(フェイスペイントや被り物)によるものだとした。
そして、「日本のサポーターは試合後にスタンドのごみ拾いをすることが慣習になっており、これはサッカーという“熱い”スポーツとはミスマッチなようにさえ思える」とした上で、「日本のサポーターにも青春真っただ中の少年たちが少なくないのに、なぜ“熱血”的な様子がスタジアムで見られないのだろうか」と疑問を投げ掛けた。
記事は、近年日本が「低欲望社会」に突入していることと関係があると論を展開。「仕事や恋愛、結婚、育児に興味を示さないばかりか、自分の趣味にさえも抑制的になる。エンターテインメントが発達している日本でも、若者たちは“寝そべり(無気力なこと)”たがっている」とし、「必死に競争するも、寝そべるも、個人に選択する権利がある。中国の若者たちもバリバリ働くよりもむしろ薄給でも休みが取れるような仕事をしたいと考えるようになってきている。低欲望はグローバルなトレンドであり、日本の今はみんなの明日であるだけなのかもしれない」と論じた。
そして、「あの中国の少年がグラウンドに飛び込みメッシに抱きついたのは多くの人の夢でもあるが、実際にそうする勇気を持っている人がどれだけいるだろうか」とし、「彼が広く注目を集めたのは石ころが池に落ちたようなもので、人々の乾いた心に波を立ててしまったからなのかもしれない」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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