給与水準が30年上がらない日本の残酷な現実―華字メディア

Record China    2023年7月1日(土) 6時0分

拡大

26日、華字メディアの日本華僑報網は、日本の給与水準が長年停滞している点について分析する記事を公開した。

2023年6月26日、華字メディアの日本華僑報網は、1980年代に過労死のニュースが世間を騒がせるほど勤勉で有名だった日本人の給与水準が、40年後の現在に長年停滞している点について分析する記事を公開した。

記事は初めに「過労死のニュースが世間を騒がせた80年代から40年後の現在、状況は改善したのか?」として、厚生労働省や民間企業などの労働時間に関する調査結果を引用し、「週40時間の労働者の残業時間は、月平均20時間以上の人の割合が最も多かった」と紹介し、「それにも関わらず日本人の収入は上がっていない」として、「日本人の平均給与年収は443万円だが、税金や社会保険料などを引いた手取り額は年間約350万円となる。ボーナスなしで計算すると、月額は手取りで約30万円しかない」「非正規雇用の場合、平均年収は198万円」などの調査結果を紹介し、「物価高の日本でこの給与水準は、なんとか飢え死にしないくらいの生活はできるようだ」と論じた。

続いて記事は、「労働者の給与水準以外に、年金の逼迫(ひっぱく)も日本の労働者を悩ませている」として、「厚生年金の受給権者は全国に1618万人で、月額平均は14万3965円」「2人以上の世帯の消費支出は月平均33万4229円」「安定した老後生活を送るには、年金以外に2000万円の貯蓄が必要」などの調査結果を紹介し、「日本では老後に年金だけで生活することは不可能で、少子高齢化による納税人口の減少もあって、自分で最低限の生活を保つための努力をしなければならなくなったが、日本人がどれほど勤勉であっても、給与は『失われた三十年』の経済低迷と共に上がっていない残酷な現実がある」と述べた。

記事は次に、日本の給与水準が長年停滞している原因について、「産業構造のアップデートの失敗」「労働生産性の低下」「安定しすぎている就職」の三つの視点から分析した。

一つ目の「産業構造のアップデートの失敗」については、「日本は比較的整理されたバリューチェーンを持つ数少ない国の一つで、製造業の成功で世界に広く知られるようになったが、同時に今の低迷の原因も製造業にある。いわば『成るも蕭何、敗れるも蕭何』である」「バリューチェーンの中で製造業は中間地点にあり、利潤の大部分が集まる頂点と末端にはいない」「日本の市場規模は大きいわけではなく、バリューチェーンの末端の販売による利潤を期待できない。同時にコストの優位性を保つために、たとえ技術は一流であっても、長い間安価な製造業態に甘んじてきた結果、さらにコストの低い後進国にその座を奪われざるを得なかった。日本は何度か突破を試みたようだが、技術の帝王たる日本はずっと選択を間違え、長年の努力を無駄にしてしまった」と述べた。

二つ目の「労働生産性の低下」については、「労働経済学の原理からいえば、給与水準の上昇は労働生産性の上昇によるもの。つまり労働の付加価値が上がらなければ、給与水準を上げることはできない。奇妙なことに日本では、ここ数年先進的な設備やシステムの導入を継続しているにもかかわらず、労働生産性の向上には至っていないようだ」「2021年時点で、日本の労働生産性は、経済協力開発機構(OECD)加盟全38カ国中、22位で平均値の約78%しかない。国内総生産(GDP)世界第3位の国にしては不釣り合いだが、これも労働生産性の低さが積み重なった結果かもしれない」と指摘した。

三つ目の「安定しすぎている就職」について、「日本は高度経済成長期に十分な労働力を確保するため、世界でも独特な『年功序列』と『終身雇用』という二つの制度を設計し、今日まで続けてきたが、21世紀の現在、この制度が労働者たちに『給料や待遇が低くても軽々しく転職はしない』という性格を植え付けてしまったようだ。日本で転職による年収増の確率は23%しかなく、深刻な労働市場の流動性不足を生み出している」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携