海外でますます高く売れる中国車、成功のポイントは―中国メディア

Record China    2023年7月4日(火) 8時0分

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2日、中国の雑誌「財経」は、中国産の自動車が海外で販売台数を伸ばすと同時に販売単価も上昇しているとし、その背景について解説する文章を掲載した。写真はボルボ。

2023年7月2日、中国の雑誌「財経」は、中国産の自動車が海外で販売台数を伸ばすと同時に販売単価も上昇しているとし、その背景について解説する文章を掲載した。

文章は、今年1〜5月における中国の自動車輸出台数が前年同期比81.5%増の175万8000台に達し、中でも新エネルギー車の輸出台数は同2.6倍の45.7万台にまで増えたと紹介。また、輸出車の平均価格も5年前の1万2900ドル(約187万円)から現在は2万ドル(約290万円)と50%以上増加したと伝え、かつては「低廉自動車の代表」としてほとんどがアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国に輸出されていた中国車が、今や英国、ベルギー、ドイツ、スウェーデンでも見かけるようになったと伝えた。

そして、中国車が急速に海外への輸出を増やし、かつ先進国にも進出して単価が上昇している大きな要因として、新エネ車を世界に先駆けて普及させたことがあると指摘。中国の全国乗用車市場情報協会の崔東樹(ツイ・ドンシュー)事務局長が「中国は新エネ技術で比較的進んだ状態にある一方、欧州は現在資源が比較的逼迫(ひっぱく)した状態にある。政策的支援も相まって、中国の新エネ車輸出にチャンスがもたらされた」との認識を示したと紹介した。

ボルボ

また、海外市場にはそれぞれ異なる文化的背景と市場動向が存在するため、各市場の消費者の自動車需要は大きく異なり、パーソナライズに対するニーズも一層際出つと指摘。海外で自動車を高値で販売するためには、現地市場で製品を合理的に位置付けるとともに、一連のローカライズ作業が欠かせないとし、中国メーカーはこの点でも適応できたことで、欧州を始めとする海外市場でのシェア獲得に成功したとことを伝えている。

一方で、中国の自動車輸出にはなおも短期的、長期的な憂慮があるとし、マッキンゼーの大中華圏自動車部門の責任者である管鳴宇(グアン・ミンユー)氏が、中国メーカーが続々と海外進出を目指している状況について「中国市場での経験をそのまま海外に移植することはできない。トップダウン設計が欠けていれば、将来に大きなリスクを残すことになる。また、現地の法律法規、業界の環境、商業文化を十分に把握し、内部的にはガバナンス、組織、人材などを全面的に国際化させる必要がある」と指摘したことを紹介した。

文章は、輸出が長期的な取り組みであり、ハード面の投資だけでなくソフト面の構築も必要であるほか、製品やサプライチェーンの現地化や人材の現地化、マーケティングの現地化も必要であると指摘。長い目で見れば、完成車の輸出は自動車の輸出の第一歩に過ぎず、海外工場への投資が今後の課題だとした上で、 近年、上海汽車、長城汽車、吉利汽車など一部の中国自動車メーカーがの海外展開を始めており、 中国自動車産業の海外進出が「製品を海外に出す」段階から「産業を海外に出す」段階へと移行しつつあるとの見解を示した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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