中国商務省と税関総署は3日、半導体などの素材になるガリウムとゲルマニウム関連の製品を輸出規制の対象にすると発表した。「国家安全保障と利益を守るため」としている。これに関連し、独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは4日、米国とオランダによる「中国半導体封じ込め」への対抗措置かとする記事を掲載した。

記事によると、8月1日から中国の輸出業者は中国商務省の許可がない限り輸出できなくなる。

オランダは数日前、先端半導体の製造装置の輸出管理を強化すると発表した。米国も一部の中国メーカーがオランダから半導体装置を入手することを制限すると報じられている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、重要な鉱物企業と専門家のための国際組織クリティカル・ミネラル・インスティテュートの理事で、中国の金属産業で30年近い経験を持つアラステア・ニール氏のコメントとして、「中国のこの措置は、半導体産業、特に高性能チップに関して、即座に波及効果をもたらすだろう」と報じた。

また、米オルブライト・ストーンブリッジ・グループの中国担当上級副社長、ポール・トリオロ氏のコメントとして、「中国政府はこの輸出規制により、個々の企業だけでなく特定の産業のより広範な分野をターゲットにし、地政学的な考慮に基づいて決定を下すことができる」とも伝えている。

米地質調査所によると、中国は世界最大のガリウムとゲルマニウムの生産国だ。英国のクリティカル・ミネラル・インテリジェンス・センターによると、中国のガリウム生産量は全世界の94％を占める。（翻訳・編集/柳川）