収入のほとんどが借金返済に消える「限界債務者」、韓国に300万人も―主要紙

Record Korea    2023年7月8日(土) 8時0分

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韓国では収入が借金返済に消えて、最低生計費レベルの劣悪な生活環境に置かれた「限界債務者」が300万人近いことが分かった。限界債務者は新型コロナの拡大以降、急増傾向にある。写真はソウル。

韓国では収入が借金返済に消えて、最低生計費レベルの劣悪な生活環境に置かれた「限界債務者」が300万人近いことが分かった、と主要紙が報じた。限界債務者は新型コロナウイルス感染症の拡大以降、急増傾向にあり、過去3年間で36万人も増加した。

朝鮮日報は韓国銀行(中央銀行)が2日までに国会の野党議員に提出した資料を紹介。それによると、今年3月末現在で韓国の家計向け融資の債務者は1977万人で、債務総額は1845兆3000億ウォン(202兆円)だった。うち元利返済額が年収の70%を超えている債務者は299万人で全体の15.1%を占めた。

金融当局は普通、70%のラインが最低生計費を除いた年収のほぼすべてを借金返済に充てなければならないラインとみている。返済額が年収を超える債務者も175万人(全体の8.9%)に達した。

元利返済額が年収の70%を超える限界債務者は新型コロナ以降、着実に増えている。過去3年間(19年第4四半期から今年第1四半期まで)に263万人から299万人へと36万人増えた。 韓銀が昨年2%の利上げを行い、金利負担が増すと、限界債務者は昨年だけで22万人増えた。ただ、今年に入って金利据え置きが続いたため、約5万人減少した。

債務総額で見ると、家計向け融資に占める限界債務者への貸出比率は今年3月末現在で41.4%に達する。新型コロナ以降3年余りで678兆3000億ウォンから764兆8000億ウォンへと86兆5000億ウォン増加した。

金融当局は限界債務者の延滞についても実態把握を進めている。韓銀は今年第1四半期の金融安定報告書で、「家計向け融資の延滞が予想より急速に増える可能性がある」とし、「金融機関の資本拡充と新規延滞債権の推移に対するモニタリング強化、固定金利ローンの割合を高める方向への誘導などが必要だ」と指摘した。

一方、国際金融協会(IIF)が5月末に発刊した世界債務報告書(Global Debt Monitor)によると、今年第1四半期末の韓国の家計債務残高は、対GDP(年間名目国内総生産)比で102.2%を記録した。調査対象33カ国とユーロ地域の中で1位だった。香港(95.1%)、タイ(85.7%)、英国(81.5%)などが後に続いた。

韓銀の基準金利引き上げで、昨年下半期の家計債務の規模が縮小の流れを示したにもかかわらず1位を維持した。これは昨年各国の中央銀行が急速に政策金利を引き上げ、韓国のみならず全世界的にも家計債務の比率が下落傾向を示した影響とみられる。

今年第2四半期からは、韓国の家計債務の規模が増加傾向に転じる可能性がある。韓国金融委員会の集計によれば、4月の1カ月間で韓国国内の金融圏の家計融資残額は2000億ウォン増え、昨年8月以後初めて増加傾向を記録した。韓銀のイ・チャンヨン総裁は「中長期的に見れば(家計融資が)再び増える可能性を憂慮せざるを得ない状況」と話した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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