SNSプラットフォームのフェイスブック（Facebook）やインスタグラム（Instagram）を運営するメタ（Meta Platforms）は6日、新たなSNSプラットフォームのスレッズ（Threads）の提供を始めた。スレッズの登録者は8日までに7000万人を超えた。メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者（CEO）も「われわれの予想をはるかに超えている」と驚いたほどの盛況だ。しかし香港メディアの香港01は8日付で、日本人ユーザーからは不満の声が出ていると紹介する記事を発表した。

記事は、スレッズが注目された理由として、イーロン・マスク氏がツイッター（Twitter）入りしてから、多くのユーザーがツイッターへの信頼を失うようになったと主張した。記事は、そのようなユーザーが、サービス内容が似ているスレッズに注目したと紹介した。

記事はその上で、日本人ユーザーはスレッズがツイッターの代替品にはならないことに気付いたと論じた。記事は、ツイッターに親しんできたユーザーがスレッズに対して感じる不満として、現状について以下の6点を挙げた。なお、記事が紹介したスレッズの特徴についての評価は、人によって異なることをお断りしておく。例えば、スレッズとインスタグラムのアカウントが連動していることについても、不満を感じる人もいれば「便利だ」と評価する人もいる。

【1】インスタグラムと完全連動

スレッズとインスタグラムは同じアカウントで使用する。従ってユーザーが文章中心のスレッズでは披露したいが、インスタグラムの画像は見せたくないと望んだり、その逆を希望する場合に問題が発生する。どうしても独立させたいならば、それぞれについて異なるアカウントを作らねばならない。また、スレッズのアカウントを削除すると、連動してインスタグラムのアカウントもなくなってしまう。

【2】個人情報を多く求められる

スレッズはアカウント開設時にツイッターよりも多くの個人情報を求められる。2年前にはフェイスブックからの大規模な情報流出が発生した。多くのユーザーはいまだに、メタ社に多くの個人情報を提供することに抵抗を感じている。

【3】ツイッターと比べて機能が不足

スレッズの使い方はツイッターとほぼ同じだが、実際には多くの機能が未整備だ。特にタイムラインに関する機能は限られている。日本人ネットユーザーが試してみたところ、スレッズでは特定のユーザーを表示しないように設定できない。また、見たいものを分類するリストの作成もできず、ツイッターでは人気機能であるハッシュタグも欠落している。

【4】検索機能などに制約が大きい

日本人ユーザーはスレッズではユーザー検索しかできないので、見たいものを素早く探したい人にとっては不便と指摘した。また、メッセージ機能もないために、特定のユーザーと深く情報交換するのにも向いていない。

【5】ウェブ版の機能が不足

スレッズはアプリ版に重点が置かれている。ウェブ版もあるが、パソコンのブラウザー上では他のユーザーのプロフィールを閲覧することしかできず、基本的には形式だけのものだ。世の流れがスマートフォンの多用に向かっているとはいえ、写真や映像を処理するにはパソコンの方が便利だ。PC版が事実上存在しないのは、やはり減点材料だ。

【6】厳格な“お色気”制限

フェイスブックの利用者などなら熟知しているはずだが、メタ社は性関連の内容を厳しく制限している。イラストなどについても厳しい制限があり、メタ社の基準にそぐわない投稿をすると、投稿が削除されたり、場合によってはアカウントが使えなくなる。逆にツイッターは性関連の制限が比較的緩やかで、そのことが世界各地でユーザーを呼び込んだ大きな要因だった。スレッズが性関連の情報を厳しくしていることは、日本人ユーザーにとっておそらくは、「最も致命的」だろう。（翻訳・編集/如月隼人）