韓国GDPが「世界上位10位圏」から陥落、今後に「希望」はあるのか

Record Korea    2023年7月16日(日) 22時0分

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2022年の韓国の名目GDPは約1兆6700億ドルだった。「世界上位10位圏」から“陥落”し、11位のブラジル、12位のオーストラリアに次ぐ、世界第13位だった。写真はソウル市内の様子。

韓国の中央銀行である韓国銀行によれば、2022年の韓国の名目GDPは約1兆6700億ドルだった。韓国GDPは「世界上位10位圏」から“陥落”し、11位のブラジル(1兆8700億ドル、12位のオーストラリア(1兆7000億ドル)に次ぐ、世界第13位だった。

ドル高で目減り、しかも肝心の輸出は振るわず

韓国のGDPが振るわなかったのは、ドル高・ウォン安のためにドル換算で数字が低くなったことと、同時に輸出が伸びなかったためだ。22年の韓国の名目GDPは、ウォン建てで前年比3.9%増の2161兆ウォンだったが、ドル建てでは同7.9%減だった。

一方で、輸出主導型経済国の韓国は22年、前例のない貿易赤字に見舞われた。韓国産業通商資源部が今年初めに発表した報告書「22年12月および通年の輸出入動向」によると、22年の韓国の貿易赤字は472億ドルと過去最大だった。472億ドルの貿易赤字は、世界的な金融危機に見舞われた08年以来14年ぶりだった。

輸出の足を引っ張ったのは世界的な需要縮小に加え、メモリー半導体の輸出が低迷したことだった。韓国の輸出は22年10月から9カ月連続で前年比マイナス成長だった。輸出全体の2割を占める半導体の輸出は、22年8月から11カ月連続で前年同月比で減少した。下落率はしばしば40%を超えた。

対中貿易でも赤字の構図が定着

韓国にとって最大の輸出市場である中国との貿易構造も大きく変化している。韓国メディアの報道によると、韓国が長年にわたり維持してきた対中貿易の黒字は逆転した。22年の韓国の対中輸出額は前年比4.4%減の1558億1000ドルだった。韓国の対中貿易は22年10月から赤字が続いており、赤字の規模は拡大し続けている。

その背景には、中韓の貿易構造の変化があるという。かつては多く取引される商品は鉄板や繊維類などだったが、現在は半導体をはじめとする高付加価値の中間製品が主力になっている。しかし、中国でも先端技術型の製造業が急速に発展している。かつては韓国企業の競争力が強かった液晶パネル、スマートフォン、電気自動車、電池の分野でも、中国企業の台頭が著しい。

韓国銀行が5月25日に発表した「経済見通し改訂報告」は、韓国の経済成長が引き続き低迷しているとの見方を示し、23年の韓国の経済成長率の見通しをそれまでの1.6%から1.4%に下方修正した。

韓国の輸出について、期待が持てるのは自動車の輸出だ。韓国側の統計によると、完成車輸出は22年第4四半期(10-12月)から好調だ。韓国貿易協会の関係者は、半導体輸出が急減し、自動車輸出が引き続き堅調に推移していることから、自動車が12年ぶりに輸出額トップに返り咲くと予想した。

しかし、韓国の対中貿易赤字は23年上半期も続いている。中でも電池など中国への輸入依存度が高い製品の工業用原材料やコンピューター、電気機器などの輸入が増加し、赤字の主要な原因になっている。

専門家からは「韓国の貿易赤字は今年になって徐々に縮小する傾向にある。その後の韓国経済がV字型回復になるのか、L字型回復になるのかは、様子を見なければならない」との声が出ている。半導体の輸出ついても「23年下半期から一部については回復する」との見方が出ているが、一方では、半導体産業はさまざまな外的要因に左右されるので、今後を予測するのは困難との指摘もある。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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