Record China 2023年7月25日(火) 9時0分
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中国では豊かになった影響で、人々の食肉消費量が増えている。そして、巨大な人口を持つ中国で食肉消費量が増えていることが、全世界のさまざまな分野に複雑な影響を及ぼしている。
中国の庶民にとっては1970年代まで、肉類は「とてもぜいたくな食材」だった。それが今では、ほとんどの中国人が、望みさえすれば肉を毎日食べられる。改革開放の政策が奏功し、人々が努力して豊かになったおかげだ。しかし巨大な人口を抱える中国で肉類消費が増え続けていることが、全世界のさまざまな分野に複雑な影響を及ぼしている。フランスメディアのRFIは22日付で、中国の肉類消費の増加に伴う影響を紹介する記事を発表した。
経済協力開発機構(OCDE)や国連食糧農業機関(FAO)は、中国はすでに新型コロナウイルス感染症の流行から完全に抜け出したとの見方を示している。中国では物価上昇の問題などが発生しているが、さまざまな試練を乗り越えつつあるという。
中国では今後も、加工食品や食用油脂、糖類、肉類への需要が増えていくとみられている。一方で、穀物類の生産量に大きな変化はなく、毎年0.5%未満の増加で推移するとされている。
中国では肉類需要に対応するために、新たな取り組みも行われている。例えば、湖北省では2022年、26階建ての世界最大の「養豚ビル」2棟が開業した。給餌も自動的に行うなど「スマート化」されており、合わせて年間120万頭の豚を出荷できるという。
中国の豚肉生産量は世界の5割を超えているが、それでも自国だけで需要を満たすことはできず、少なくとも今後数年間は大規模な輸入に頼ることになる。
また、中国は自国内で豚の飼料にするための穀物輸入を増やしている。大豆輸入量は2021年には前年に比べて減少したが、22年は増加して過去最高になった。大豆輸入量は今後も増えるとみられている。
一方で、中国では東南アジアの多くの国を席巻した豚コレラの影響がまだ続いている。つまり、豚の飼育数がまだ完全には回復していない。中国は年間100万頭分以上の豚肉を輸入せざるを得ない状況だ。主な豚肉供給国はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイで、この3国だけで全体の4分の3程度を占めている。
肉食についてよく議論されるのは、人類全体の食の安全とのかかわりだ。肉食用の家畜を飼育するには、多くの植物性飼料を必要とする。それも、人も食料として利用する穀物類が多い。豚や牛からは人にとって利用しやすいタンパク質源である肉類がもたらされるが、エネルギーの面から見れば、食肉用家畜の肉になるのはごく一部で、エネルギーの多くは家畜の生命維持のために用いられる。肉食の量が増えれば、今もなお世界に多く存在する飢餓あるいは飢餓に近い状態の人々から、貴重な食べ物を「横取り」する結果になる。
さらに、食肉生産は地球温暖化ガスの排出を増加させる効果を持つ。餌の生産や飼育、食肉処理、ふんの処理のために、精肉1キロ当たり二酸化炭素換算で7.8キロが発生し、さらに小売店で売られるまでに約3.3キロが追加されるとの試算もある。さらに、牛や羊は反すう動物でげっぷを多く放出するが、このげっぷには温室効果が二酸化炭素の25倍のメタンが多く含まれる。FAOによると、世界の温室効果ガスの総排出量のうち、畜産業による分が15%近くに上るという。
世界では、植物由来の代替肉や、細胞の培養増殖により肉類を作り出す技術の研究開発が進んでいる。中国でも、これらの新技術の開発が進められている。(翻訳・編集/如月隼人)
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