Record Korea 2023年7月25日(火) 11時0分
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24日、韓国・朝鮮日報は「ソウル市内で発生した通り魔殺人事件で、現場に駆けつけた警察官が犯人に敬語で呼び掛けている動画がネット上に広まり、物議を醸している」と伝えた。写真は新林駅。
2023年7月24日、韓国・朝鮮日報は「ソウル市内で発生した通り魔殺人事件で、現場に駆けつけた警察官が犯人に敬語で呼び掛けている動画がネット上に広まり、物議を醸している」と伝えた。
ソウル市冠岳(クァンアク)区の新林(シンリム)駅近くで21日午後、通り魔事件が発生し1人が死亡、3人が負傷した。動画によると、容疑者が犯行後、建物入り口前の階段に座っているところに警察が駆けつけ、「ナイフを捨ててください」と何度か呼び掛けている。この後、容疑者はナイフを手放している。
この動画を見て、警察官が容疑者に敬語で声をかけたことを問題視する声が多く上がっているという。ネット上には「ナイフを捨ててくださいとお願いしてるのか」「殺人犯にも手厚い待遇をする社会」「ナイフを捨てろ!と1回警告して、従わなければテーザー銃で撃つべきだ」「血のついた手でナイフを持っているんだから、すぐにテーザー銃を撃って制圧し検挙すべきだった」などの言葉が並んでいる。
しかし、現職の警察官は「どうすることもできない」「出動した警察官の対応は理解できるものだ」と評しているという。
警察は「警察物理力行使の基準と方法に関する規則」に従って現場対応している。同規則は、相手がどのような罪を犯したかではなく、相手の行為の危害性の水準により対応を規定している。今回の通り魔殺人の容疑者は逃亡や抵抗をしておらず、警察の統制に従う「順応」の範囲内だったという。この場合、可能なのは言語による統制と手錠の使用のみだという。警棒やテーザー銃を使用していたら「過剰鎮圧」ではないかと論争が起きた可能性が高いと、記事は指摘している。凶器を振り回す容疑者を逮捕する際に物理力を行使した場合でも、のちに国家人権委員会などに「過剰鎮圧」だと判断され、懲戒勧告を受けるケースも多いという。
ソウルの主要な警察署で刑事課長を歴任した、方背(パンペ)署のアン・ソンモ刑事課長は、取材に対し「容疑者は犯行現場から離れて階段に座っており、さらなる危害の可能性はないように見える。自害や攻撃行為があれば警察官がより積極的に対処しただろうが、この状況では適切な対応をしたと言える」と説明。容疑者にぞんざいな言葉遣いをしたという苦情が入ることもあるため、現場の警察官は後でとがめられることがないよう、敬語の使用が習慣化している可能性を指摘している。
元警察官で朝鮮大学警察行政学科教授のイ・フン氏は「韓国の情緒の特性上、無条件に命令調の『タメ口』を使用せよとマニュアル化することは難しい。若い警察官が年上の相手に命令することで、かえって刺激してしまうことも考えられる」と話している。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「次に凶器を持った犯人が現れたら、人権委員会と市民団体が取り押さえに行け」「タメ口を使えばタメ口だと、敬語を使えば敬語だと文句をつけるんだろう。警察を何だと思っているのか」「人間であることを放棄した殺人犯に人権保護を適用する理由ははない」「他人の人権を侵害した者の人権を保護する人権委員会など、解散すべきだ」「ここが米国なら容疑者は即刻、撃たれていただろうな」「凶悪犯を過剰鎮圧したとして懲戒処分される国は韓国だけ」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)
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