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映画「君たちはどう生きるか」に見た、宮崎駿監督の自己投影と夢の世界―中国メディア

Record China    2023年7月30日(日) 21時0分

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21日、中国メディアの澎湃新聞はジブリ過去作品に触れながら「君たちはどう生きるか」についての評論文章を掲載した。

2023年7月21日、中国メディアの澎湃新聞は、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」について、スタジオジブリの過去の作品に触れながら論評する文章を掲載した。(※本記事はネタバレを含みます)

文章は、「宮崎駿監督の10年ぶりの長編新作アニメ映画『君たちはどう生きるか』が14日に日本で公開された」とし、「タイトルやポスター以外に情報がない状態で映画館に入った理由は説明する必要もない。ただ“宮崎駿”という名前のためだ」と指摘。「82歳(の宮崎監督)から124分の説教を受ける心の準備はできており、タイトル発表当初から同名原作小説や漫画版も借りて読んだ。引退宣言を撤回して長編アニメ映画制作に再度本腰を入れた宮崎監督は、若者を励まし、文学作品をアニメ化することに満足しているはずで、人生最後の長編作品である可能性が高いことを意識していただろう」と述べた。

その上で、「3連休の週末の朝早くに映画館に来て人生観を追求したい人は少ないと思ったが、暑い夏の映画館は観客でいっぱいだった。少なくとも私は宮崎監督のこれまでの作品に感動したが、最新作には期待以上に不安もあった」とし、鑑賞後の感想として「今までにはなかった体験をした。おなじみのモチーフが次々と現れ、過去作品の影も見えた。後日、詳細に解読しなければと思ったが、同作は過去作品の“集大成”や“再生産”ではないことは私の中で確実だ。かつての宮崎監督は観客を念頭に置き、老いも若きも楽しめるテーマを意識していたが、今では市場の反響を置き去りにして、完全に自分自身に忠実になっている。見慣れた数々のモチーフを最新作と対比すると、今回初めて本格的にその原型が出現したことに気付くだろう。ある意味、同作は124分間、宮崎監督の脳内を散策するかのような体験だった」とした。

続けて、「主人公の少年・牧真人は明らかに宮崎監督本人の自己投影である」とした上で、「空襲による火災で母を失い、父と継母とともに田舎に引っ越した。父は戦闘機工場を経営しており、戦時中にしては収入があり、かなり裕福な生活を送っていたが、少年はその生活にはふさわしくなかった。母の遺品の中から岩波文庫の『君たちはどう生きるか』を発見し、何かしらの感銘を受けたところで、継母が謎の塔に連れて行かれていることに気づいた。そして、夢の中に何度も現れたアオサギに導かれて、少年は謎の世界に足を踏み入れた」とあらすじを紹介した。

一方、文章は過去の作品にも言及。「以前の作品である『風立ちぬ』と『紅の豚』の主人公も宮崎監督の自己投影だ。『紅の豚』の主人公は豚のイメージで登場し、酒を飲み、たばこを吸い、トレンチコートを着て、大好きなイタリアの飛行艇を運転しているが、誰の目からも宮崎監督だと一目で分かる。宮崎監督の個人的な趣味を体現した楽しい夢のようだ。『風立ちぬ』は実際の歴史的事件を背景にしながら、夢で結ばれている。主人公は宮崎監督、堀越二郎氏、堀辰雄氏の合体で、夢の中で航空技師のカプローニとの会話で人生の目標を決めた。具体的には、仕事、家庭、人生の選択に関する目標だ」と分析した。

また、「君たちはどう生きるか」で表現されたのは「死の夢だった」と考察。「謎の塔へのトンネルは、『千と千尋の神隠し』を連想しやすい。千尋とカオナシが路面電車に乗って銭婆に会いに行くシーンは、銭婆の家に到着してからはお茶を飲んだだけだが、彼岸への旅を描いている。そして最新作では死の夢が映画の大半を占め、登場人物のセリフで主人公の少年がまとう“死の匂い”をほのめかしていた」と述べた。

さらに、「主人公が謎の世界から現実世界に帰還する助けとなってくれたのは2人の女性だった。若い姿に戻った主人公のお世話係の老婆が謎の世界の案内人となり、ペリカンに襲われたときに主人公を助けた少女もいた。そして主人公は、自分を救ってくれた少女が若い頃の母親だったことに気づいた。主人公が謎の塔に入った理由は、実母を探しつつ、塔に迷い込んでしまった継母を救うことだったが、最終的には実の母親に救われることとなった」と紹介した。

そして、「『君たちはどう生きるか』の母親のイメージは、『風の谷のナウシカ』のナウシカのように完璧で強く、一方で『風立ちぬ』の菜穂子や『となりのトトロ』の結核にかかった母親と同じように病魔に苦しめられている。これは宮崎監督の母親が結核になり、幼少時代にそばにいてもらえなかった経験の投影だ」とし、「しかし父親は、謎の世界に行くことはなかった。『君たちはどう生きるか』の父親の設定は宮崎監督の父親とほぼ一致しており、宮崎監督の航空機への偏愛と空への憧れは、明らかに戦闘機工場を経営する父親の影響を受けている。宮崎監督の反戦の思いと戦闘機への愛は、矛盾していると常に指摘されている。父親との心理的な距離は残っているにもかかわらず、設計の面から見ると航空機への賛美は直接的だった。最新作で、工場が一時閉鎖され、戦闘機の風防(ふうぼう)が主人公の家に運ばれた際に主人公が思わず感心するシーンがある。これは宮崎監督が心の声を吐露したようだった」と分析した。

文章は最後に、「『君たちはどう生きるか』、世界への問いの解決は、宮崎監督が自己と対峙したことで実現したと言える。82歳の宮崎監督が生み出した幻想の世界に浸るのは奇妙でぜいたくな体験で、もう一度映画館に行って鑑賞したいと思う」と締めくくった。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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