2023年8月4日、劇場版「モノノ怪」の公式X（旧ツイッター）アカウントは2024年夏に同作を公開すると発表した。

「モノノ怪」は07年の7月から9月にかけてフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されたアニメ作品。人々に災いをもたらすモノノ怪を斬ることのできる主人公・薬売りの男が諸国をめぐるという和製ホラーアニメだ。

同作の劇場版公開をめぐっては紆余曲折があった。22年9月には「文春オンライン」の報道により、同作の主人公・薬売りの男の声優を務める櫻井孝宏の不倫疑惑が浮上。ネットは炎上の様相を見せ、多数のアニメファンは櫻井が担当していた数々のアニメキャラクターについて続投になるか降板になるのかと懸念していた。そのような中、23年2月、同作の公式アカウントは公開延期およびキャスト変更を発表、「『劇場版モノノ怪』は舞台を大奥に移し、女性たちの苦しみと救済を描こうとしております。その作品性の観点からの決断となります」と投稿した。また、22年6月にユーチューブで公開された同作の特報映像には、公開延期の知らせのほか、「本作への櫻井孝宏さんの出演はございません」という1文が添えられた。なお、このたびの発表で薬売りの男の声優は神谷浩史への変更が明かされた。

一方、アニメーション制作の方面でも難航をうかがわせる事件が22年にXで浮上。同作のキャラクターデザインおよび総作画監督を務めたスタッフが自身のアカウントで制作から降板したことをほのめかし、SNS上でプロデューサーと衝突したとされる出来事が発生した。プロデューサーはnoteで事情の説明とする文章を掲載していたという。しかし、現在では一部のネットユーザーにより同スタッフの投稿の「魚拓（投稿内容の保存）」が取られているが、Xの投稿自体は削除され、プロデューサーのnoteも同様に削除されている。

このたびの公開決定発表までに険しい道のりを歩んできた同作だが、「『モノノ怪』の放送から15周年の記念企画」と銘打たれるなど反響も大きく、Xでは多くの日本のネットユーザーからのコメント、そしてユーチューブでは英語やスペイン語でのコメントも寄せられている。

劇場版公開決定の報は中国のSNS・微博（ウェイボー）にも波及。中国のアニメファンからは、「まじか、びっくり！」「期待！」「最高！」「ようやく発表がきた！」「ちょっと予想外だったけどめっちゃうれしい！」「あと1年かぁ」などの声が寄せられた。

また、声優変更についても注目を浴び、「神谷さん！！」「これは信頼できる」「やばい、満足」「神谷さんなら見る」「確かに（薬売りの男）に合っている」という声も上がった。

一方で、「（声優変更について）ちょっと複雑な心境」「神谷さんだと変声期の少年みたい」とコメントするネットユーザーも現れた。（翻訳・編集/柳朱音）