人民網日本語版 2023年8月16日(水) 15時30分
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2000年以上の時を経ているにもかかわらず、「越王勾践剣」が鋭利さと美しさを保っているのはなぜなのだろうか?
「復讐を成功させるために苦労に耐える」という意味の故事成語「臥薪嘗胆」は、中国春秋時代後期の越の王「勾践」と呉の王「夫差」との争いに由来する。まず、父のために復讐を誓った「夫差」は、越の国に攻め込み、勾践の軍を破った。勾践は呉に赴き、夫差の召し使いとして仕えることになり、3年の間、馬夫として仕えた。勾践は、夜は藁の上で眠り、この屈辱を忘れないために部屋に苦い肝を吊るして毎日のようにそれを舐め、呉に対する復讐を誓った。そして、着々と準備を進めて、呉に敗れて20年後、「夫差」が覇者を目指して各国に盛んに兵を送り込むなどして国力が疲弊していたすきをつき、勾践は呉に攻め込み、夫差の軍を大破した。こうして「勾践」は国辱をすすぎ、起死回生を遂げた。
「勾践」が保有していた名剣「越王勾践剣」が出土した際、作業員は慎重に作業をしていたものの、剣に手を触れた際、手を切ってしまい血が止まらなかったという。また、16枚の紙を重ねて、その切れ味を確かめたところ、さほど力を入れることもなく、全てきれいに切れてしまったという。2000年以上の時を経ているにもかかわらず、「越王勾践剣」がこれほどの鋭利さと美しさを保っているのはなぜなのだろうか?
この剣には、質が高く、不純物が少ない銅や錫、鉛など、最上級の材料が使われている。これまでに出土した春秋戦国時代の剣の多くには、「菱形暗格花紋」が入っている。これは、当時流行していた剣を制作する時に使われた工芸技術だ。「勾践」の剣にも同じ図案がたくさん入れられている。表面の模様には硫黄が多く含まれ変色を抑えているため、図案が今でも鮮明に残っている。また「越王勾践剣」は、酸素が極めて少ない中性の土の層となっている古墳の深い場所から出土した。そこは外界からほぼ隔離された状態となっていた。そして、出土した際、「越王」の内棺に収められており、それが空気を遮断する鞘と同じ効果を発揮し、状態のよい保存となり、2000年以上たった今でも変わらぬ鋭利さと美しさを保つことを可能にした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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