2023年8月15日、中国メディアの観察者網は、年間の自動車輸出台数で中国が日本を抜いて世界一になるとの予測を国際格付け機関が示したことを報じた。

記事は、米CNBCの15日付報道を引用。国際格付け機関ムーディーズが先週発表した報告書の中で、電気自動車（EV）需要の急増によって中国の自動車輸出は新型コロナ流行前のレベルを上回る実績を出して日本を猛追しており、このままのペースでいけば今年のうちに年間輸出台数で日本を追い抜くとの予測を示したことを紹介した。

そして、2023年上半期（1〜6月）の中国のEV輸出が前年同期比で倍増した一方で、日本の自動車輸出（化石燃料車とEVの合計）は新型コロナ前の水準に回復していないと指摘。中国自動車工業協会（CAAM）のデータによると、同時期における中国の完成車輸出台数は前年同期比76．9％増の234万1000台で、日本自動車工業会が発表した同期間の日本の自動車輸出台数202万台を抜き、半期自動車輸出台数ではすでに初めて世界トップに躍り出たと伝えている。

また、ムーディーズが中国のEVが優位性を持つ要因について生産コスト面の強みを挙げ「ライバルの日本や韓国よりも人件費が安い上、世界のリチウム供給量の半分以上を生産し、世界のリチウム金属精製能力の半分以上を持っている」と解説するとともに、新興メーカーを含む中国メーカーの新技術採用率が日本やドイツを含む既存の大手メーカーを大きく上回っていることも、EV生産で中国がリードを広げる要因になっているとするエコノミストの分析を紹介したことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）