2023年8月17日、新浪網は、中国の女子プロサッカー選手でデンマークのクラブに所属するMF趙瑜潔（ジャオ・ユージエ）が、女子中国代表選手の選考基準に疑問を呈して議論を呼んだことを報じた。

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記事は、欧州リーグで活躍する趙が先日SNS上で「女子中国代表の選定基準があまりにもプロらしくない。体重の基準によって多くの有能な女子選手がナショナルチームから追い出された。ワールドカップで大活躍した欧州の選手たちに中国代表の選抜基準を当てはめたら、全員体重オーバーで代表入りできなくなる。なんと滑稽な基準だろうか」と疑問を呈したと伝えた。

そして、この書き込みがメディアやサポーターに注目され、大きな議論に発展したと紹介。一部メディアは「中国代表はその他の要素も総合的に考慮しているはずだ」との見解を示したものの趙から「部外者なのに、自ら経験をした自分より内情を知っているとでも言うのか」と反論を受けたとしたほか、影響力のある選手である趙がこのような発言をすることは中国女子サッカーの内部対立を引き起こし激化させる不適切なものだとするメディアもあったと伝えている。

一方で、一部メディアの見解を除き、多くの議論は選定基準自体にフォーカスされたものだったとした上で「体重の指標はそもそもサッカーにおいて需要ではないし、科学的な基準でもない。今のサッカーはますますフィジカルの強さが重視されており、スピードや能力がある程度犠牲になっても競り合いに強ければ大きなアドバンテージになる。今の女子サッカーの選抜基準はサッカー向けではなく、まるで陸上競技選手を選ぶようだ」と論じた。

また、現在の中国サッカー協会や中国代表の管理体制が「専門外の人間が指導を行っている」状態で、サッカー以外の物差しを使ってサッカーという極めて科学的な運動競技を測ろうとしているとも指摘。「トレーニング方法や選抜基準の非合理性が、男子にしろ女子にしろ欧州の先進的なサッカー理念との距離をますます広げている要因になっている。これは中国サッカーが抱える小さな問題に過ぎない。本当の大きな問題、解決が難しい問題は、サッカー管理者がサッカーに対して正しい認識、理念を持っていないこと。サッカーを陸上競技扱いしていては永遠にうまく行かないのだ」と断じた。

記事はさらに、問題を指摘した趙や趙を支持した選手たちが中国代表や中国サッカー界で圧力をかけられる可能性に言及した上で「それでも、チームに問題があれば、声を上げる人は必要。異なる意見を許さないチームに進歩はない」とし、管理層が選手たちの声を真剣に聞き取り、より合理的、科学的なサッカー管理体制を構築することを期待した。（翻訳・編集/川尻）