中国経済危機論、実際のところはどうなのか―独メディア

Record China    2023年8月24日(木) 6時0分

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22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済の先行きに対して欧米メディアから懸念の声が出ており、「問題の根源は政治にある」との指摘も飛び出したことを報じた。

2023年8月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済の先行きに対して欧米メディアから懸念の声が出ており、「問題の根源は政治にある」との指摘も飛び出したことを報じた。

記事はバイデン米大統領が8月中旬に資金集めのイベントで中国の経済問題を「時限爆弾」と呼び、これに対して中国の国営メディア・新華社が同大統領を批判した上で「課題はあるが、今年の中国経済の回復は堅調だ」とする評論を発表したものの、中国当局が発表した7月の経済指標は軒並み不調だったことから、海外の主要メディアからは中国経済が現在直面している問題や課題についての議論が起こり始めていると伝えた。

そして、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが22日付の記事で「中国が貧困から抜け出し、大国としての地位を獲得した経済モデルは、もはや持続可能なものではない。単なる経済の低迷期ではなく、これは長い時代の終わりかもしれない」と指摘、 国際通貨基金(IMF)が中国の国内総生産(GDP)成長率について今後数年間は4%を下回ると予想しており、 このままでは、35年までにGDPを倍増させるという目標や、中国が長年抱いてきた「米国を抜いて世界最大の経済大国になる」という野望が実現しない可能性があると報じたことを紹介している。

またニューヨーク・タイムズも同日、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマン氏が「中国は持続不可能な不動産投資をより高い消費者需要に置き換える必要があるにもかかわらず、中国当局は銀行に融資を増やすよう働きかけることで潜在的な危機に対応しようというこれまでと同じやり方を進めており、人々の不安を募らせている」と論じた文章を掲載したと伝えた。

さらに、中国市場に対して常に強気と見られてきた投資家のレイ・ダリオ氏でさえ、中国は現在の苦境から抜け出すために、早急に債務再編を行う必要があると述べており、ダリオ氏のファンドで中国企業に数十億ドルを投資してきたブリッジウォーターが昨年よりは中国企業への投資を減らし始めているとの報道も出ていることを紹介した。

一方で、中国政府系メディア・環球時報胡錫進(フー・シージン)元編集長がSNS上で欧米のメディアや専門家による指摘について「中国経済に対する悪口」と批判した上で、「われわれは言いはやされている衰退の声を撃滅し、中国社会に強い自信を植え付けなければならない。そして、この目標を達成するための根本的かつ唯一の方法は、中国の経済を実際に上向きにさせ、国内の信頼を鼓舞することだ」と主張したとしている。

記事はさらに、シンガポール紙・聯合早報に21日、「問題は経済にあり、根源は政治にある」と題した非常にストレートな評論が掲載されたと紹介。著者である香港の実業家、劉夢熊(ラウ・モンホン)氏が「改革開放の最初の30年間は着実に上昇し、近年では負のスパイラルに陥っているという逆転現象の最も根本的な原因は政治にある。中国は今、世界で最も経済が政治に縛られている国だ」と論じ、中国経済の成長を阻害している一番の主要因は「政治におけるイデオロギーの強化、国家の安全保障や反スパイという概念の乱用で投資家らに心理的な脅威を与えていること」と指摘したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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