「われわれは自らの嫌日感情を管理すべき」、中国著名ジャーナリストが主張

Record China    2023年9月6日(水) 16時0分

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5日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報元編集長である胡錫進は、自身の微博アカウントに、福島第一原発の汚染処理水海洋放出に関連して「合理的な愛国心」を呼び掛ける文章を掲載した。

2023年9月5日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報元編集長である胡錫進(フー・シージン)は、自身の微博(ウェイボー)アカウントに、福島第一原発の汚染処理水海洋放出に関連して「合理的な愛国心」を呼び掛ける文章を掲載した。

胡氏は、遼寧省大連市の焼肉店が「日本人の入店はお断りしております 純粋な個人的コンプレックス」という看板を掲げたところ、店主が関係当局から看板を撤去するよう連絡を受けたことがネットで議論を呼び、店主を支持する声が相次いだと紹介。日本の処理水海洋放出に対する店主の憤り、日本に対する嫌悪感を理解しているとしつつ、「そのような看板を設置することには賛成しかね、看板を撤去せよという関係当局の忠告を尊重してほしい」とした。

その上で、「中国と日本が外交的に対立し、特に日本の原発汚染水排出問題で対立こそしているものの、それを相手国民に対する差別行為に変えてはならない」と指摘。「日本社会でそのようなことがあってはならない。そして中国社会でも同様にボトムラインを守るべきだ」と論じている。

胡氏は中国が礼儀の国であり、門戸開放政策を進めているとした上で「われわれは日本の対中政策に反対し、日本という国に対して強い意見を持っているが、中国に住む、あるいは一時的に滞在するすべての日本人を厚遇し、その安全を確保し、差別されないようにしなければならない。これは対外開放政策における『標準装備』なのだ」と訴えた。

そして「日本政府の歴史認識から現実行為までの多くの稚拙な表現が中国社会の憤慨を引き起こすのは必然である。しかし、私たちは嫌日感情の放出の仕方が私たちの利益を損なうことがないよう、必要な管理を行う必要がある」「中国社会は日本の汚染水(処理水)放出問題で原則的な立場を堅持しながらも、かなりの感情管理をしてきた。日本では街中の中国人に『日本から出て行け』と要求し、非常に醜悪な態度を示している。人口規模が日本の10倍以上もある中国社会では今のところこのような攻撃的な態度を示したという報道は見られない」と主張。「各個人の態度は多種多様であってもいいが、合理的な愛国心という集団的認識は揺るぎないものであるべきだ」と結んでいる。

微博では胡氏の書き込みがトレンドワードランキングに登場するなど注目を集めた。中国のネットユーザーからは「胡さんの言うとおりだ」「日本政府に反対するのと、相手の国民とやり合うのは別の話」「高尚で理性的な愛国を守ろう」などの支持が寄せられる一方で、「国粋主義をあおり立てたあんたが冷静になれって言ってもなあ」「あなたには(言動の)ポリシーというものがないようだな」「全部あんたがそそのかしたせいだろう」「中国に胡錫進が1人だけでよかった。100人もいたら滅んでるわ」など、胡氏の言論に批判的な意見も少なからず見られた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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