Record China 2023年9月6日(水) 12時0分
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日本が東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を開始したことについて、中国のシンクタンク「中国・グローバル化センター」の副主任で蘇州大学講座教授の高志凱氏が中国メディア・観察者網のインタビューを受けた。
日本が東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を開始したことについて、中国のシンクタンク「中国・グローバル化センター(CCG)」の副主任で蘇州大学講座教授の高志凱(ガオ・ジーカイ)氏が中国メディア・観察者網のインタビューを受けた。
高氏は日本の処理水放出について「極めて無責任な決定だ」と非難。「日本側は国際原子力機関(IAEA)の“承認”を得たとしているが、実際はIAEAは承認はしておらず、日本側の言い分とは大きく食い違っている」としたほか、「日本はトリチウムばかりを強調し、残りの数十種類の放射性元素については言及を避けている。事の重大性を認識していながら、責任逃れをしている」「日本は正常な運用の過程で排出される冷却水と放射性元素に直接触れた水とを混同してきたが、実際は全くの別物だ」などと主張した。
また、「法律的な観点から言えば、日本の核汚染水(処理水)放出は権利侵害行為だと強調したい」とし、「これは海にごみを捨てることと同じではない。一部の放射性元素の半減期は1万年にも及び、長期的に海に残され、海洋生物と人体との接触を通じて遺伝的な影響を及ぼす可能性がある。このような人間の行動は歴史上一度も起きたことがなく、その規模、深刻さもかつてないものだ」と言及。「海産物を扱う企業などへの影響も深刻であり、その損失は司法手続きによって確定することが可能。排出計画は30年もあるため損失は長期に及ぶ。被害者の定義は広く取って構わない」などと論じた。
さらに、欧米の姿勢については「米国はダブルスタンダード。原発事故後、米食品医薬品局(FDA)は、日本の福島周辺13地域の指定製品を検査なしで差し押さえることを許可する規定を発表した。しかし、米国は基本的に日本の海洋放出に反対しておらず、地政学的な配慮があった可能性がある。つまり、本来は技術的で生態系の安全に関わる問題を強引に政治的な問題へと変えたのだ」と主張。「欧米諸国は報道の自由の重要性を強調する一方で、日本の汚染水(処理水)放出には口をつぐんでいる。もし中国が放出すれば欧米メディアは躍起になって報じる。彼らは長年、中国を悪魔化する努力を惜しまなかった。私が見るにこれはトップダウンで議論をさせない、あるいはその他の方法で議論を奨励しないというシナリオだ。つまり、日本の汚染水(処理水)放出は米国を中心とする西側諸国の地政学的な目標、さらにはいわゆる新冷戦の計画と密接に関連しているのだ」と自論を展開した。
高氏は、中東のテレビ局アルジャジーラの英語放送の番組に出演し、この問題について討論した際のことを聞かれると、「その番組の日本人ゲストは私のことを『原子力の専門家ではない』と言い、中国政府に買収されているという話まで持ち出した。その時、私は『日本の街中で多くの人が汚染水(処理水)排出に抗議しているが、彼らも中国政府に買収されたとでもいうのか』と反論した。彼はあれこれと汚染水の安全性を説明していたが、私は『あなたはここに来る前に世界の人々の前でその水を飲んで安全性を証明せよ』と提言した」と述べた。
このほか、日本の海洋放出が30年続くことについて問われると、「私は日本産の海産物のボイコットを迷うことなく支持する。中国の庶民の健康に関わることであり、日本政府や東電がやっていることは許せないという姿勢を表明するためだ」と主張。一方で、「中国人が日本人に抗議するという問題ではないということは強調したい。日本の人々も被害者だ。彼らは核汚染水(処理水)による影響が最も大きく、最も深刻なのだから」とも述べた。(翻訳・編集/北田)
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