華為技術（ファーウェイ）は8日午前10時8分、予告なしでスマートフォン新機種の「Mate60 Pro+」と「Mate X5」の購入予約の受け付けを開始した。価格は発表せずに1000元（約2万200円）の保証金で購入の権利を確保する方式だが、購入希望者が殺到して権利獲得は困難な状態になった。ファーウェイは8月29日未明に、やはり予告なしで「Mate 60 Pro」の販売を開始した。中国メディアの時代財経は予告なしに新機種を短い周期で繰り返し登場させたを「ファーウェイがまた奇襲」と表現した。

時代財経によると、8日午後に広東省深セン市内のファーウェイ旗艦店を取材したところ、台風の影響で大雨だったにもかかわらず、店内は「Mate60 Pro+」と「Mate X5」の購入権を得ようとする人であふれていた。長い行列が発生しており、店員は、少なくとも1、2時間は待つ状態と説明したという。

ファーウェイはネット通販でも「Mate60 Pro+」と「Mate X5」の購入予約を開始したが希望者が殺到し、時代財経によると、受付開始直後からオンラインで申し込んだが失敗したと述べる人もいたという。一般に、オンラインの場合には、実店舗での申し込みよりも困難とされる。ただし、実店舗の場合にも、閉店時間前にその日の分の受け付けを終了するケースが出現した。

ファーウェイモールによると、「Mate X5」の支払い期間は14日午前10時8分から15日までで、商品発送は24日までに完了する見込み。「Mate60 Pro +」の場合は支払い期間が25日午後6時8分から26日までで、商品発送は24日までに完了する見込みという。

「Mate X5」は3月に発表した折り畳みスマートフォン「Mate X3」の後継機種で、「Mate60 Pro+」は8月29日に発売した「Mate 60 Pro」の後継機だ。「Mate X5」の性能については、「Mate X3」と比べてカメラのレンズやバッテリー容量などを向上させたとされる。「Mate X5」にはそれほど極端な改良があったわけでないが、品薄になる可能性が高いとの指摘もある。

時代財経によると、ファーウェイ旗艦店の店員は「「Mate60 Pro+」は「Mate 60 Pro」」と比べて、画像システムやレンズの性能が向上したと説明した。また、「Mate 60 Pro」については衛星通話が可能であることも注目されたが、「Mate60 Pro+」では衛星メッセージングの機能も追加されたという。

ファーウェイのスマートフォン新機種については、5Gへの対応が最も注目されているが、同社は今のところ、はっきりした説明をしていない。機能面、さらには価格について情報が必ずしも発表されていないにもかかわらず、購入希望者が殺到したことは、中国国内でファーウェイに対する信頼と支持が極めて高いことを反映していると見なせる。

通信関連に詳しい項立剛氏はファーウェイの新機種の位置付けだが、Mate60シリーズは衛星通信、スクリーン、チップなど多くの面で技術上の大きな飛躍を実現しており、アップルへの挑戦になることは間違いないと語った。（翻訳・編集/如月隼人）

People’s enthusiasm for #Huawei phone continues!
Have you bought Huawei Mate 60 pro or Huawei X5? pic.twitter.com/BnGw0717Un

— Olivia Wong (@OliviaWong123) September 11, 2023