中国の新エネ車企業のASEAN進出が加速、単なる輸出から協力へ―中国メディア

Record ASEAN    2023年9月18日(月) 15時20分

拡大

15日、環球時報は中国の新エネルギー自動車企業が東南アジア諸国への進出を加速させていると報じた。写真はバンコク。

2023年9月15日、中国紙・環球時報は中国の新エネルギー自動車企業が東南アジア諸国への進出を加速させていると報じた。

記事は、電気自動車(EV)が「一帯一路」イニシアチブの枠組みにおける中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要な協力分野の1つになっていると紹介。ASEANは世界で最も重要なEV製造センターとなる潜在力と野心を持っており、中国、日本、韓国の支援を受けてEV産業生態系の構築に取り組んでいると伝えるとともに、ここ数年はEV分野における中国とASEANの協力関係がさらに深まり、協力の形態も単なる自動車の輸出から生産能力の協力へと移行しているとした。

そして、ASEAN諸国の中でも中国の自動車メーカーが特に熱視線を注いでいるのがタイであり、EV大手のBYDは2022年8月にタイ乗用車市場への参入を発表し、翌月には現地のデベロッパーとの間で同社初の海外乗用車工場建設に向けた用地取得などに関する契約を締結したと紹介。長城汽車も20年に約6億5000万ドル(約960億円)を投じてタイのラヨーン工場を改修して生産拠点化を目指し、哪吒汽車も今年3月に現地に年産約2万台のエコスマート工場を建設し、24年1月の稼働開始を予定していることを発表したとしている。

また、マレーシアとインドネシアも中国の自動車メーカーにとってASEANの重要な拠点と位置づけられており、吉利汽車は17年にマレーシアの「国宝自動車ブランド」と呼ばれるプロトンの株式49.9%を取得しており、そのプロトンが23年に初の新エネ車モデルのX90を発売予定であるとした。また、上海通用五菱は現地子会社を通じてインドネシアの西ジャワ州ブカシにある60ヘクタールの自動車工業団地に10億ドル(約1480億円)を投資し、インドネシアと東南アジア市場向けの生産拠点を建設する計画を打ち出したと伝えた。

記事は、ASEANの人口は6億7000万人を超え、経済規模は3兆ドル(約450兆円)を超える非常に大きなマーケットであり、巨大な潜在力を秘めているとした上で、中国の自動車メーカーは今後東南アジアでの生産能力拡大に伴って、さまざまな種類の自動車製品を現地に提供するだけでなく、現地生産によって現地市場に深く入り込み、発展途上国におけるEVサプライチェーンの重要な一部にまで成長するだろうとの見方を示した。

さらに、中国企業は単なる輸出から現地市場との深い融合、さらには地域社会との共生という新たな道も模索しており、投資、生産、販売だけでなく、地域社会との協力によって世界的なバリューチェーンを飛躍的に向上させようとしていると紹介。吉利汽車がマレーシアのタンジュンマリムで、生産、学術、研究、都市化を統合する自動車ハイテクバレープロジェクト(AHTV)の建設をパートナーと共に推進しており、マレーシアの自動車産業、特に新エネルギー産業の発展をけん引し、東南アジア地域における優位性の確立を目指していると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携