中国の半導体チップは本当に「世界をはるかにリード」するのか―独メディア

Record China    2023年10月2日(月) 9時0分

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27日、ドイチェ・ヴェレは米国による厳しい規制の中で「自力更生」を進めている中国の半導体チップについて、「世界をはるかにリードする存在になり得るのか」と題した記事を掲載した。

2023年9月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国による厳しい規制の中で「自力更生」を進めている中国の半導体チップについて、「世界をはるかにリードする存在になり得るのか」と題した記事を掲載した。

記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストがこのほど、中国清華大学の研究チームが河北省の雄安新区政府と粒子加速器による巨大半導体チップ工場建設用地の選定に向け活発な話し合いを進めていると報じたことを紹介。このプロジェクトでは、1台の加速器の周囲に複数のリソグラフィ装置を配した巨大工場を建設することで、高精度チップの生産を現地化しようとするものだと伝えた。

そして、研究チームが進めているのは定常状態マイクロバンチング(SSMB)と呼ばれる新しい発光メカニズムで、2010年にスタンフォード大学の趙午(ジャオ・ウー)教授らによって初めて提唱され、2017に清華大学の唐伝祥(タン・チュワンシアン)教授がこの技術をさらに探求するための専門研究チームを結成、2019年に実験に成功してその成果が2021年に「ネイチャー」に掲載されたと紹介した。

また、SSMB理論は加速過程で放出される荷電粒子のエネルギーを光源として利用するもので、現在のASMLの極端紫外線リソグラフィ(EUV)技術と比べてより望ましい光源であると説明。実用化されれば大量かつ低コストのチップ製造が容易になり、中国が2ナノメートル(nm)以下の先進半導体チップ生産で主導的立場に躍り出る可能性があると伝えた。

記事は「この野心的なプロジェクトは、中国の技術革新へのコミットメントを強調するものであり、半導体産業に劇的な変化をもたらす可能性を示している」とする一方で、中国経済全体が巨大な下向き圧力に直面する中、チップ研究の資金調達プロセスにおいても少なからぬ影響が発生していると指摘した。

そして、英フィナンシャル・タイムズの報道として、中国で半導体産業を支援するために約3000億元(約6兆円)を調達する「ビッグファンド」計画が中国経済の低迷によって困難に直面していると伝え、その背景として「ゼロコロナ」政策終了後の景気回復の遅れによって地方政府に大きな経済的圧力がかかり、投資に対する姿勢がより慎重になっていることを挙げた。また、「ビッグファンド」を巡るスキャンダルも起きており、昨年7月以降にファンドに関係する10人以上の幹部が捜査を受けていることも、投資のペースや市場の信頼感に影響を及ぼしているとした。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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