日本の「失われた30年」を教訓に……中国不動産市場はいかにしてソフトランディングするか―香港メディア

Record China    2023年10月3日(火) 12時0分

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30日、香港メディア・香港01は、中国の不動産市場のソフトランディングを目指す方法について論じる文章を掲載した。

2023年9月30日、香港メディア・香港01は、中国の不動産市場のソフトランディングを目指す方法について論じる文章を掲載した。

文章は、中国の不動産市場が下落の一途をたどる中、不動産市場の変動が経済に与える影響や政策的救済の必要性、市場救済の方法などが経済・政策分析のホットな話題となっていると紹介。その中で、著名なエコノミストであるリチャード・クー氏の日本経済「バランスシート不況」論も、現在の中国の状況がバブル崩壊前夜の日本経済と似ていることから注目されていると伝えた。

そして、不動産セクターやマクロ経済全体から見れば、中国の現状は日本とまったく同じではないものの、不動産市場の縮小によってバブルが弾け飛んでいる状況、中国の高齢化が急速に進み、将来の成長のボトルネックになることなど、多くの共通点もあると指摘。また、日本の不動産バブル崩壊は当時のインフレに対応するために日銀が利上げを続けた一方で、不動産セクターに対する与信制限を行ったという政策主導の要素があり、この点もここ数年の中国の「三つの赤線」と呼ばれる不動産企業に対する債務規制と似ていると評した。

その一方で、中国の不動産市場を取り巻く環境はバブル期の日本より複雑になっているとし、1990年代前半の日本の都市化率77%に対して2022年の中国はは65%にとどまり、インフラ建設による都市化推進がなおも中国の経済成長をけん引し続ける要素になると指摘。「中国政府は経済の新たな局面における不動産セクターの重要性を改めて位置づけ、再認識し、経済のニーズや人口動態との関連で不動産需要の役割を真剣に検討する必要がある」と論じた。

文章はその上で、中国が日本の「失われた30年」の経験と教訓を踏まえつつ、不動産を経済危機の「犯人」としてのみ扱うのではなく、経済成長の重要な柱とみなすべきであり、それが中国にとっては現実的かつ長期的な意味を持つとした。そして「中国の不動産市場は住宅という公的属性を持ちながらも、資産的属性から完全に抜け出していないという自らの属性に立ち返る必要がある。 現在重要かつ差し迫って必要なのは、不動産市場のソフトランディングを目指すことなのだ」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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