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「進撃の巨人」に見る実存主義的哲学とは―中国コラム

Record China    2023年10月8日(日) 19時0分

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中国の動画プラットフォームbilibili(ビリビリ動画)にこのほど、日本のアニメ「進撃の巨人」における哲学的要素についてのコラムが掲載された。

中国の動画プラットフォームbilibili(ビリビリ動画)にこのほど、日本のアニメ進撃の巨人」における哲学的要素についてのコラムが掲載された。

コラムはまず、「完結も目前になったため、『進撃の巨人』における存在主義的要素を考えてみたい」とした上で、「同作は視聴者に考えさせられるストーリーやキャラクター設計を通じて、多くの哲学的な思考と討論をもたらし、人間性、自由意志、運命、権力と絶望などの問題をより深く考えさせてくれる」とした。

コラムは第一に「人間性を超越する悪」に言及し、「同作は人間における悪の本質を明らかにしている。巨人の残虐さと人間の残忍さを描くことで人間の本質とは何かという問いをもたらした。そして、人間の道徳性と極限の環境下での選択というジレンマに触れている」と述べた。

第二に「自由意志と運命」を挙げ、「作中のキャラクターは常に運命の束縛を受けているが、自由を追求する過程で自分の意志と選択を得ることになった。これは、自由意志と運命との関係に関する哲学的思考や、人類が運命のかせを超越することが果たしてできるのかという問題提起だ」と指摘。「実存主義は人間が自由な存在であると考えており、誰もが自主的に選択や意思決定を行う能力があることを意味している。同作では、人間は巨人の脅威に直面しており、彼らは選択し、その結果が引き起こしたものを背負わなければならない」とした。

その上で、「個人は自由な意志を持っているにもかかわらず、キャラクターたちの置かれている環境や条件はその選択に影響を与える。巨人に脅かされる環境下では、個人の選択の余地が制限され、生存のために何らかの犠牲や妥協をするかもしれない。限られた選択肢で自主性をどのように求めるかは実存主義思考の重要なテーマだ」とし、「絶望の中で自由意志を失い、巨人の一部になったり、外部勢力に操られたりするキャラクターも登場しており、この場合、責任は他者や外部に転嫁される。つまり自由と責任は常に完全に独立した関係ではないということだ」と論じた。

第三に「生存と意義」を挙げ、「作中のキャラクターは生きるために戦うが、同時に自身の存在意義について疑問に直面している。絶望的な環境の中で、どうやって生きる意味を見つけるのか?絶望を超えた希望があるのだろうか?同作はキャラクターの独白、会話、行動を通じて、存在意義を探求している」と指摘。「個人の努力や探求は常に期待された結果が得られるわけではなく、希望が粉砕され、意義が奪われる場合がある。これは実存主義思想における生存と意義の間のジレンマを体現している」と述べた。

第四は「個人と社会」に言及した。「作中でキャラクターが絶望や死の脅威に直面した場合、個人の自由意志もあれば、社会や集団の影響も受ける。個人と集団関係、同作は自己と他者との衝突、そして両者のバランスに触れている」とした上で、「作中のキャラクターたちは自由と責任の間でさまざまな姿勢を見せている。一部のキャラクターは人類の自由を守るために奮闘し、勇気と奉仕の精神を表している。彼らは巨人と戦うことを選び、自身らの権利のために奮戦した。一方、別のキャラクターは自由を追求しながらも責任を放棄し、災難を招いた。彼らの行動は罪のない人々の犠牲をもたらし、自由と責任の間の衝突を引き起こした」と指摘した。

第五に「勇気と希望」を挙げ、「同作の世界において個人は困難と恐怖に直面する勇気が必要だ。作品のキャラクターはさまざまな形で勇気を見せており、絶望しながらも戦い続け、希望を追っている。同作は、キャラクターの行動や心のジレンマを通して、絶望の中でも希望や勇気を求めることの大切さを伝えている」と言及。また、実存主義の大家であるジャン=ポール・サルトルに言及し、「サルトルの実存主義的理論は人の自由選択と責任を強調する。人間の存在は本質よりも先であり、人は自分の選択によって自分の本質を定義すべきであると考えている」と説明。「同作では、キャラクターたちに常に選択の機会や責任が付きまとう。巨人の脅威の中、難しい決断を下し、選択がもたらした結果を背負わなければならないのである」とした。

一方、「サルトルの思想には人の自由と孤独も含まれている」とし、「同作でキャラクターたちは巨人に囲まれ、孤独や無力感を感じることが多く、彼らの自由も巨人の存在により制限されている。これはサルトルの自由と孤独に関する考えにつながるものがある」と指摘。「実存主義的な観点と同作との間にはいくつかのつながりがある。物語で探求されている人間の存在、自由選択、責任などのテーマは実存主義の核心に合致している。これらの哲学的な問題を考えることで、視聴者は作中のキャラクターたちの行動や心情をより深く理解することができるだろう」と結んだ。(翻訳・編集/柳朱音

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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