人民網日本語版 2023年10月10日(火) 22時30分
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「金蝉玉葉」は、銀の笄2点、金・銀嵌宝玉插花4点、長さ4.7センチの銀の柄と共に被葬者の頭部の位置から出土した。
中国の古代の人々は、「金」と「玉」の組み合わせをこよなく愛していた。1954年、考古学者は蘇州五峰山で透き通るように白い「玉」の葉の上に金のセミをのせたデザインの装身具である「金蝉玉葉」を発見した。「金蝉玉葉」は、銀の笄2点、金・銀嵌宝玉插花4点、長さ4.7センチの銀の柄と共に被葬者の頭部の位置から出土した。柄の先には、銀の小さな台があり、そこに開けられている小さな穴を通して金のセミ、玉の葉、銀の小さな台が一体となっていたため、考古学者は「金蝉玉葉」は髪飾りとして使われたかんざしではないかと推定している。
「金蝉玉葉」には非常にリアルな金のセミが白い玉の葉の上にとまっているデザインとなっている。鑑定の結果、金の純度は95%で、セミの羽の厚さはわずか0.2ミリであることが分かっている。また、玉は白玉の中でも特に上質とされる新疆ウイグル自治区ホータン産の「羊脂白玉」で、厚さは2ミリとこれもとても薄い。
明代の商品経済は発達しており、シルクと綿紡績の2大産業が台頭し、蘇州や杭州、寧波などのエリアはファッションの流行発信地となっていた。そして、ファッションの一部でもあるヘアスタイルもまた、「ファッションリーダー」たちにとって無視できないものだった。そのためこの「金蝉玉葉」も貴族の女性の頭部を美しく輝かせる装身具として使われていたとみられている。
また、古代の人々はセミは「朽ち木の生まれ変わり」であり、「繭を破って生まれ変わる」と考えていた。そのため穢れを知らないセミは縁起が良く、そこに長寿の思いも込められるなど、古代の人々に非常に好まれた。さらに中国の伝統文化において、金と玉はいずれも品の高さや富の象徴となっているため、金と玉は最高の組み合わせとみなされている。2008年の北京オリンピックのメダルにも金に玉を埋め込む技術が採用された。近代五輪の100年の歴史において、複数の材料でメダルが作られたのはこれが初めてのことで、中国の伝統文化がそこに融合され、「玉を用いて徳を表す」という中華民族の伝統的な価値観が発揚された。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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Record China
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高野悠介
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