〈新時代の新疆ウイグル自治区2〉一帯一路の要衝として急発展のウルムチ

小島康誉    2023年10月14日(土) 15時0分

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新疆ウイグル自治区を理解するキーワードは、シルクロード・多民族・資源・一帯一路の4点。写真は天山山脈と「一帯一路」の要衝ウルムチ市遠望。

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新疆ウイグル自治区3週間視察へ出かける直前、友人らが「気を付けて」と乾杯してくれた。「何に気を付けるの?」と問い返すと「何となく」と返事。具体的に分からなくても、報道で「新疆は不安な所」と刷り込まれているからだろう。「心配する事など無いから安心して」と返杯。メディアは注目されそうなことを面白おかしく執拗に取り上げる。最近では性加害を起こした某芸能事務所のことが微に入り連日流されている。商業ジャーナリズムと言われ注目されないと生き残れないからだ。新疆を1982年から150回以上訪れ各種活動してきた者からすると、新疆もニューヨークもパリも同じ外国で、特段の心配はない。

「西大橋」の変遷でウルムチの発展が一目でわかる

スローガン「法により新疆を治め、団結で新疆を安定させ、文化で新疆に潤いをもたらし、民を豊かにして新疆を振興し、長期的に新疆を建設しよう」(紅山公園にて)

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新疆ウイグル自治区を簡単に紹介したい。中国の最西部に位置し、甘粛省・青海省・チベット自治区と接し、モンゴル・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・アフガニスタン・パキスタン・インドと国境を接し、国境線は5600kmに及ぶ。面積は約166万平方キロメートルで中国の約6分の1、日本の約4.4倍。前漢時代に「西域都護府」を設置し、いくたの歴史を経て清朝乾隆帝時代に「新疆」(新しい境)と称され、1884年「新疆省」が成立し、1955年10月1日「新疆ウイグル自治区」となった。人口は約2600万人、漢・ウイグル・カザフ族など47民族。主要産業は農牧畜・石油・天然ガス・石炭・貿易・観光など。

新疆ウイグル自治区を理解するキーワードは、シルクロード・多民族・資源・一帯一路の4点。シルクロードを多くの文明文化が行きかい楼蘭・キジル千仏洞・ニヤ遺跡・交河故城など世界的文化遺産が各地に点在している。文明文化を運んだのは人々であり、多民族が協力しあって生活している。広大な新疆には前述のように貴重な資源が大量に埋蔵されていて、一大産業となっている。地政学的に古来より重要な一帯であり、現代では「一帯一路・シルクロード経済帯」の要衝として重要な意味を持っている。

観光客で賑わうウルムチの「国際大バザール」

中秋の名月の下、次々と照明を変えて輝くビル群

その新疆ウイグル自治区の区都がウルムチ(烏魯木斎)、政治・経済・文化の中心で、高層ビルが林立し、急発展し活況をていしている。空路は北京はじめ中国各地や新疆内および外国とも結ばれ、第四ターミナルも建設中、完成後の年間利用客は4800万人に達するという。鉄道でも大量の観光客がやってくる。中央アジア諸国やヨーロッパとの貿易も盛んで、10周年を迎えた「一帯一路・シルクロード経済帯」にあって、その重要性は益々高まっている。

生活向上で日常を楽しむ若者たち

■筆者プロフィール:小島康誉


浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。
ブログ「国献男子ほんわか日記」
<新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方>
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小島康誉氏コラム

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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