中国・広東省で妊娠が判明した女性が大家から追い出される出来事があった。中国メディアが12日付で報じた。

当事者の女性によると、女性が妊娠5カ月であることを知った大家は「もうあなたたちに部屋は貸さない」とメールで退居を迫った。契約期間が満了していないため、大家は家賃1カ月分の違約金を支払う意向を示している。退居を求めた理由については「借死不借生（たとえ死人に貸しても出産する人には貸さない）」と告げられたという。

中国の一部地域ではかつて貸した部屋で出産があると縁起が悪いと考えられていたといい、「借死不借生」は「死人が出るのも出産も縁起が悪いが、死人は数日で部屋を開けてくれるのに対して、出産は長く居着かれるのでより迷惑」（※ほかに「子が運気を持って行ってしまう」「産婦の血が家主に災いをもたらす」などの説も）という意味の俗語だという。

中国のSNS・微博（ウェイボー）では「女性が妊娠5カ月を大家に知られ退居させられる」が一時トレンド1位に。ネットユーザーからは「この大家は何時代の人なんだ？」「出産自体は病院でするんじゃないのか？誰が古代のように家に産婆を呼ぶんだ」「迷信を信じてる大家に当たっちゃったね。まったく言葉もない」との声が上がった。

また、この俗語を初めて聞いたというユーザーも多く、「聞いたことなかった」「勉強になった。もっとも、自分は追い出したりしないけど」「広東省にはいろんな風習があるなあ」「地方にはそれぞれ異なる風習があるんだ」という声や、「違約金を払ったんだしいいじゃないか。大家が気にするんなら出ていくしかない」「貸すも貸さないも大家の権利」「契約通りに違約金を払うんだから、何も言うことはない」との声も寄せられていた。（翻訳・編集/北田）