中国衰退論は希望的観測にすぎない―スイスメディア

Record China    2023年10月19日(木) 8時0分

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独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは14日、「中国は危機にひんしているが、共産主義支配は揺るがない」とするスイスのドイツ語紙、ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングの論評を取り上げた。

独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは14日、「中国は危機にひんしているが、共産主義支配は揺るがない」とするスイスのドイツ語紙、ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングの論評を取り上げた。

論評によると、中国では景気の冷え込みを受け、「政治的自由の代わりに経済的繁栄を得る」という中国共産党と国民の間の暗黙の了解が崩壊しつつあるとの声も多い。しかし、習近平(シー・ジンピン)国家主席の統治基盤は実際にははるかに強固だ。

中国はピークを過ぎ、衰退期に入っていると主張する声が海外でますます増えている。しかし、それは性急な判断だ。

この国は、経済崩壊に直面しているわけでも、景気後退や金融危機が目前に迫っているわけでもなく、成長の鈍化が予想されているにすぎない。

政治的衰退を示すものもない。どの政権も永遠に権力を維持し続けることはあり得ないが、70年余りにわたって中国を統治してきた中国共産党は、経済成長の鈍化と信頼の危機の両方を乗り越えることができる。その安定した権力基盤は、革命の歴史を持つ独裁政治の回復力、適応能力、疑う余地のないパフォーマンス、そして洗練された抑圧システムで構成されている。

中国共産党は文化大革命という致命的な間違いから学び、修正した。改革開放政策の成功により、世界第2の経済大国となり、巨大な中間所得層が台頭した。中国共産党は多くの政治運動を経験し、改革開放が政治変革をもたらさず、むしろ権力基盤をさらに強固なものにする十分な能力を政府に備えさせた。

中国は国民を監視する技術を急速に進歩させ、ハイテク独裁政権を作り上げた。国民には多くの自由があるが、それは一定の範囲にとどまる。抑圧機構は時には巧妙に、時には残忍に行動を起こす。

習氏が、在任期間中に課題が増大する中、自由と改革を脇に置き、安全保障機構の拡大を支持したことは、経済にダメージを与え、構造的な問題と併せて現在の停滞の原因の一部となっている。しかし、党が適応能力を失ったことを意味するわけではない。習氏は驚くべき方針転換でゼロコロナ政策を終了させた。

中国は巨大な経済的困難に直面している。不動産市場の危機、若者の高い失業率、地方政府の借金は、国家指導部にとって政治的リスクとなっている。しかし、このことから衰退していると結論付けるのは言い過ぎだろう。中国衰退論は、2000年代に入ってから国際的な議論に定期的に現れるようになったが、それが誤りであることは常に証明されてきた。中国経済が危機に陥った今、こうした論調は再び活況を呈している。それはある種の満足感が得られる奇妙な希望的観測だ。中国が失敗すれば、世界的な影響が及ぶだろう。中国の衰退に賭けない方が賢明だ。われわれは引き続き、強い中国に期待しなければならない。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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