中国メディアの騰訊網は25日、「競泳の孫楊（スン・ヤン）のパリ五輪（2024年7月26日～8月11日）出場の夢は基本的に破滅した」との記事を掲載した。

報道によると、中国水泳協会が24日に発表した通知の中で、2024年の全国水泳選手権大会が4月に行われることが明らかになった。同大会はパリ五輪の代表選考会を兼ねている。孫はドーピング違反により20年2月28日から4年3カ月の出場停止処分を受けており、処分が明けるのが24年5月28日。つまり、代表選考会となる大会には出場できず、パリ五輪の出場もかなわないことになる。

ただ、通知では「具体的な日時は調整される可能性がある」との注意書きも添えられていることから、騰訊網の記事は「（孫にとって）唯一の希望は選考大会が延期されることだ」と指摘。「目下のところ24年5月29日～6月23日には国際、国内いずれも具体的な大会の計画はない」とし、選考大会がこの時期まで延期されれば7月26日に開幕するパリ五輪への出場の可能性はあるとの見方を示した。

孫は12年ロンドン五輪と16年リオデジャネイロ五輪で計3個の金メダルを獲得するなど中国のエースとして活躍していたが、18年9月のドーピング規定違反をめぐる裁判の末、21年に4年3カ月の出場停止処分（20年2月28日起算）を受け、21年の東京五輪出場はかなわなかった。パリ五輪についても「努力しさえすればきっと大丈夫」「引退を口にしたことは一度もない。常に準備している」とたびたび意欲を語っていた。（翻訳・編集/北田）