Record China 2023年10月31日(火) 7時0分
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29日、観察者網は、三菱自動車が中国での生産からの撤退を決定したことについて「国産車は永遠に三菱の素晴らしさを覚えているだろう」とする文章を掲載した。資料写真。
2023年10月29日、中国メディアの観察者網は、三菱自動車が中国での生産からの撤退を決定したことについて「国産車は永遠に三菱の素晴らしさを覚えているだろう」とする文章を掲載した。
文章は、かねてから噂されていた三菱自動車の中国撤退が24日についに決定したと紹介。三菱自動車は中国での生産から撤退するものの、広州汽車三菱は販売会社を残して三菱車のオーナーにスペアパーツとアフターサービスを提供し続けることを明らかにしており、三菱車オーナーに対するアフターサービスに基本的に影響はないと説明した。
その上で、中国における三菱自動車の足跡を振り返り、1973年初めて中国に中型トラックを輸出すると、その後多くの中国企業と提携して小型トラックなどの商用車を生産するようになったほか、乗用車の輸入も進み、品質の高さから「三菱車はパワーが強く、燃費が良く、耐久性がある」と好評を博してきたと紹介。2017年から19年の3年間は広州汽車三菱が年間10万台以上の乗用車を販売する黄金期を迎えたものの、良い時期は長く続かずに20年以降は業績が急落し、今年は1〜8月の販売が1万台にとどまったと伝えた。
また、三菱は1990年代に中国で二つのエンジン工場を一気に建設して国産車向けに安くて良いエンジンを提供してきたことにも言及。現在主流の国産ブランドである長城、吉利、BYDなどはいずれも三菱製エンジンを搭載するなど、多くのメーカーが三菱エンジンをセールスポイントにしてきたとし、三菱が中国の自動車メーカーに提供したエンジンが800万個を超えたとの統計もあり、現在でも一部の国産車モデルが三菱エンジンを使用していると紹介した。
そして「中国メーカーは三菱の『援助』によって市場で生き残ってきたからこそ、今がある。そして中国ブランドは技術開発を続け、電動化の波に乗ってかつて栄華を誇った海外のブランドたちに追いついたのだ」と論じた。
記事は、良質なエンジンを供給し続けてきた中国の「弟子」たちが電動化の流れによって三菱自動車を中国での衰退に追いやったのは皮肉な話であるとした上で「三菱は中国でモデルチェンジのペースが遅く、最新技術を真っ先に国産車に導入したがらなかった。かつてはそれでも生きていけたが、電気自動車の台頭によりコストパフォーマンスや動力といった三菱の強みは失われた」と指摘。このため、このタイミングで果敢に中国での生産から撤退する判断を下したことは「必ずしもバッドニュースではない」と評している。
そして最後に、三菱自動車の撤退で残された中国国内の工場について、広州汽車の新エネルギー車ブランド埃安(AION)が引き継ぐことに触れ「時代のバトンを渡した、という深い味わいがある」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)
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