中国新興電気自動車（EV）メーカーの蔚来汽車（NIO）が人員2700人近くを削減する可能性があると報じられている。

中国メディアの証券時報によると、NIO創業者で最高経営責任者（CEO）の李斌（リー・ビン）氏は3日、全従業員に宛てた書簡で、今月中に全従業員の約10％を削減する計画に言及し、「この調整が一部の同僚に影響を与えることを残念に思います。これは激しい市場競争に直面して会社が下さなければならない難しい決断であることをご理解ください」とおわびの気持ちを表明した。

証券時報は「NIOの従業員数は2022年末時点で約2万6800人だったので、この調整が実施されれば、人員削減は約2700人に影響を与えることになる」と伝えている。

証券時報によると、NIOの今年10月の納車台数は前年同月比59．84％増の約1万6000台だった。納車台数では理想汽車（Li Auto）と小鵬汽車（Xpeng）に及ばない。

値下げは絶対にしないとしていたNIOは今年6月、販売不振の脱却を目指し、全シリーズの新車販売価格を3万元（約60万円）引き下げると発表した。

NIOの2023年4～6月期決算は、売上高が前年同期比14．8％減の87億7170万元（約1754億3400万円）で、純損失は60億元（約1200億円）を超えた。

李氏は書簡で、「今後2年間は自動車業界の変革期において競争が最も激しい時期となり、外部環境は巨大な不確実性に満ちている」とし、「今年は5つの新製品を納入し、販売価格30万元（約600万円）以上の純EV市場で40％を超える市場シェアを獲得したが、全体的な業績はまだ期待目標には程遠い」と述べた。（翻訳・編集/柳川）