Record China 2023年11月9日(木) 5時0分
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オランダのリソグラフィー大手ASMLのグローバル事業高級副総裁兼中国エリア総裁の沈波氏は最近チャイナ・デイリーの独占インタビューに応じ、今年の営業実績や来年の事業見通しについて語った。
オランダのリソグラフィー大手ASMLグローバル事業高級副総裁兼中国エリア総裁の沈波(シェン・ボー)氏は最近、中国英字紙チャイナ・デイリーの独占インタビューに応じ、今年の営業実績や来年の事業見通しについて語った。
沈氏によると、ASMLの中国事業は今年度も順調な伸びを示し、第3四半期はASML全体の売上高の46%を中国が占めたと報告されており、通年では全体の20%超に達する見通しだ。このため沈氏は2024年度の事業展開にも非常に楽観的であり、「今年中国での新規採用は200人を超え、来年も事業は引き続き需要増が見込まれる。事業計画の具体的数字は目下検討中であるが、ビジネス全体が成長するのは確実だ」と来年の抱負を語った。
米国は最近新たに半導体チップの輸出規制を発表したが、沈氏によると新たな規制はやや複雑であるため、事業への具体的な影響について目下検討中という。「私たちの理解では、少数の顧客が新たな輸出規制の制限を受けそうだ。具体的には中国事業の10~15%が来年影響を受けると予測されるが、全体としては問題ないレベルだ」と沈氏は予想する。
一方、中国全体としては、半導体チップの先端プロセスは制限を受けるため、レガシー半導体を製造する成熟プロセスの開発を強化する動きが拡大している。国外からはこうした中国の動きに対して、成熟プロセスの半導体が世界的な供給過剰を招くと憂慮する声もあがっている。沈氏は「チップ全体に占める成熟プロセスの需要は極めて大きいが、先端プロセスの需要は非常に少ない。中国では、たとえ中国独自のブランドであっても、端末アプリに利用する異なるチップの需要が極めて大きい。このため成熟プロセスを販売するには十分な市場規模であり、成長の余地も十分にある」との見解を示した。
沈氏はさらに成熟プロセスのチップはグローバルな協力を極めて重視しており、すべての生産能力と技術の開発は最終的には世界の半導体産業に役立つと述べ、「こうした観点から見ると、中国の成熟プロセスの生産能力拡大は、国内の独立系ブランドの需要を満たすだけでなく、世界の半導体業界に多くの選択肢を提供することになり、業界全体に役立つ」と指摘した。
現在、世界の半導体産業は地政学的政治の影響によりさまざまな難題に直面しており、「グローバリゼーションは死んだ」と発言した業界人もいるほどだ。しかし沈氏は「私たちは、世界的な協力が半導体業界全体の技術的な進歩を進めていく上で唯一の、最も効果的な方法であると信じている。現在半導体のグローバリゼーションについてはさまざまな理由により、さまざまな意見があるが、私たちは業界全体を最も効率よく前進させるために役立つのはグローバリゼーションだけだと見ている」と言及。ASMLの場合、製品部品の85%近くは自社製造でなく世界最高のサプライヤーに依存しており、サプライヤーと協力しながらさまざまな分野の問題を解決していることを明らかにした。
沈氏は「私たちは中国と手を組む必要がある。中国は半導体のエコシステム全体において、非常に重要な役割を果たしてきた。中国の市場潜在力は中国の半導体業界全体にチャンスをもたらすだけでなく、中国の半導体産業をグローバルな産業に融合させていくだろう」 と強調した。(翻訳・編集/榊原)
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