Record China 2023年11月9日(木) 15時0分
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ドイツ国営公共国際放送のドイチェ・ヴェレは、11月7日に香港で開催された第2回国際金融リーダー投資サミットについて報道した。
ドイツ国営公共国際放送のドイチェ・ヴェレ(中国語版)は、11月7日に香港で開催された第2回国際金融リーダー投資サミットについて報道した。
主催した香港金融管理局によると、サミットには国際的な金融機関から約300人のグローバル・地域リーダーが参加。モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン会長、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン会長、UBSのコルム・ケレハー会長、ドイツ銀行のクリスチャン・ソーイングCEO、HSBCホールディングスのノエル・クインCEO、スタンダード・チャータードのビル・ウィンターズCEOなど90以上の大手金融機関がグループ企業会長やCEOを派遣し、ブラックストーン、キャッスル・キャピタル、カーライル・キャピタルなど投資運用会社の創業者や総裁もゲストに名を連ねた。
今年の投資サミットは昨年のコロナ禍明けに比べて参加者も増えたことから、香港政府は「金融センターとしての香港の地位は変わらない」とアピールしたが、記事は「今年のサミットのテーマである『複雑な環境との共存』は、中国や香港経済の不透明な先行きと呼応しているようだ」と指摘した。
今回のサミットに、中国は人民銀行の張青松(ジャン・チンソン)副総裁、金融監督管理局総局の肖遠企(シャオ・ユエンチー)副局長、そして中国証券監督管理委員会の王建軍(ワン・ジエンジュン)副主席を送り込み、サミットの冒頭で大手外資金融機関のトップを安堵(あんど)させる発言を行った。張副総裁は「不動産市場の持続高成長は需給問題の出現で大幅な調整期となり、いわば『自然淘汰』現象が起きている。地方政府の債務問題は構造的な問題であり、主に中国の中部と東部の省で散見されるが、債務返済を上回る経済活動が下支えするだろう」との見方を示した。
一方、外資系投資銀行は、政治要因による金融危機に強い警戒感を持っているようだ。ドイツ銀行のソーイングCEOは、「私が最も恐れているのは、たとえば地政学的な政治情勢が再びエスカレートして市場が冷静さを保てず市場危機を招くことだ。金融セクターはリスクに対する高度な警戒を怠らず、ストレス・テストを行う必要があるだろう」と指摘。同様にモルガン・スタンレーのゴーマン会長も「地政学や政治が金融危機と関連しているのかもしれない。一部の国で民主主義が挑戦を受けているのは明らかだ」と述べた。
中国政府の外資系企業に対する国家安全保障関連の監視強化、地政学的緊張、景気減速などの要因により、外資系企業の中国からの撤退やデカップリング(市場の分離)に拍車がかかっている。習近平(シー・ジンピン)国家主席とバイデン大統領は、米国で今月15日から始まるAPEC首脳会議の期間に首脳会談を行う予定であるが、市場は中国経済に何らかの朗報がもたらされるかもしれないと期待している。
香港では国家安全維持法が施行されて以来、米国は香港に対する特別優遇措置を取り消し、ジョン・リー香港特別行政区行政長官をはじめとする官僚を制裁対象として、米国金融機関へのアクセスを禁止した。こうしたマイナス要因により、香港のIPO資金調達額は昨年までの世界第1位から今年は第11位にまで転落した。
ポール・チャン財政長官は今回のサミットにおいて、香港の経済成長見通しを「3%超」へ下方修正し、当局の予想より景気回復が遅れていると認めた。中国国務院の何立峰(ホー・リーフォン)副総理は、ビデオメッセージを通じて中央政府は継続して国際金融センターとしての香港を支持していくと強調した。
フィナンシャル・タイムズ紙は、「ウォール街の金融界トップたちが米国や中国を怒らせないよう、今回のサミット出席には極めて慎重だった。しかし金融界のリーダーたちがサミットに大挙して押し寄せた背景には、4兆香港ドル(約77兆円)の為替ファンドを運用するサミットの主催者である香港金融管理局自体が彼らにとって重要な顧客であり、サミットを契機に別の資産運用会社とも交流できるメリットがあるからではないだろうか」と分析した。
また、「多くの外資系企業は中国でのビジネスを手放すつもりはないと言われており、経営トップにとって中国と西側諸国との関係掌握が難しい状況が続いているが、北京政府や香港当局を無視するわけにはいかない状態にある」とも指摘した。
サミットにおいて、HSBCホールディングスのクインCEOは、今年中国本土から香港への資金流入がグレート・ベイエリア政策のプラス効果により3~4倍増え、保険事業も今年は約 40% 増加し、本土から香港へのビジネスによるものが一定の割合を占めたと述べた。「事業レベルで見た場合、香港が本土に統合されたことにより財務管理は上向いている」との見解も示した。
香港の華字日刊紙・明報の社説は、「国際金融リーダー投資サミットは中央政府と香港の財政金融官僚が外国人投資家のトップと直接対話できるプラットフォームである。外国メディアや政治家による偏った観点や事実でない批判に反論することで、外資系企業のトップが長期投資に対する信頼感を体感できる」と指摘した。(翻訳・編集/榊原)
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