中国、米国債保有高は減少も対米ドル投資への興味は失わず―独メディア

Record China    2023年11月17日(金) 7時0分

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米財務省の統計によると、中国の米国債保有残高は最近14年ぶりの低水準を示した。一方、独メディアは、米国債券市場に対する中国の関心が失われたわけではないとする専門家の見解を掲載した。資料写真。

ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は11月15日、米財務省のデータによると、中国の米国債保有残高は8050億米ドル(約121兆4000億円)と14年ぶりの低水準を記録したと伝えた。

この数値は、2009年5月の7760億米ドル(約117兆円)に次ぐ低い水準で、2013年に比べても4割減であるという。中国は従来外貨準備の投資対象として米国債を継続購入しており、日本に次ぐ米国債の「大口投資家」であった。

記事によると、一部の専門家は中国の米国債保有高減少について「米国との激化する地政学的経済競争に対応するため、中国はドル建て外貨準備高を減らしている」と見ており、「地政学的な懸念により、中国は米ドルからの独立を望んでいる」「米国債の保有を減らして人民元を買い支えている」「米国債発行の急増に伴う米国債価格の下落により、中国がヘッジとして米国債の保有を減らしている」などの見方が出ているという。

一方記事は、こうした見方とは別に、一部の専門家は「中国の米国債保有は減少したが、対米ドル投資の関心が失われたわけではなく、投資形態が変わっただけだ」と考えていると報じた。

中国関連のニュースプラットフォームであるチャイナ・テーブル(China. Table)によると、米財務省で在籍経験もあるエコノミストのブラッド・W・セッツァー氏(Brad W.Setser)は、「さまざまな数値から判断すると、中国は米国債券の購入を削減していない」と結論づけている。セッツァー氏は、「ここ数年、中国はオフショア信託投資会社を利用する機会が増えており、こうした会社の証券取引決済や関連証券の保管は米財務省の統計に現れない」と述べ、「過去10年間、中国は多額の資金を融資として『一帯一路』プロジェクトに投入してきたが、融資は主にドル建てであるため、返済時には中国へドルが還流することになる」との見解を示した。

記事は、こうした中国の新たな投資形態の変化と共に、中国が米国債ではなく、米連邦政府機関債の買い付けを増やしていると指摘する。米政府が発行する米国債は世界で最も安全な投資先と言われる一方、連邦政府機関債は政府支援企業(GSE)や連邦政府機関が発行する債券で、一般的にハイリスク・ハイリターンであり、連邦住宅抵当公庫のファニーメイ(Fannie Mae)や連邦住宅金融抵当金庫のフレディマック(Freddie Mac)がよく知られている。

ロイターの報道によると、米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミスト、キャロル・バートー(Carol Bertaut)氏とルース・ジャドソン(Ruth Judson)氏は、中国が保有する米連邦政府機関債が2022年に500億米ドル(約7兆5400億円)増え、評価益を合わせた保有額は850億米ドル(12兆8200億円)増を示したとしている。記事は、「この金額は、中国が米国債を減らした分を大幅に上回るものだ」と指摘した。(翻訳・編集/榊原)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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