Record China 2023年11月22日(水) 8時0分
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20日、中国紙・環球時報は、日本で高齢者の犯罪率が上昇している背景について論じた文章を掲載した。資料写真。
2023年11月20日、中国紙・環球時報は、日本で高齢者の犯罪率が上昇している背景について論じた文章を掲載した。
文章は、埼玉県で先月31日に86歳の男による発砲・人質立てこもり事件が発生し、今月1日にも茨城県水戸市の病院にある診察室で86歳の男が医師の顔面に殺虫剤を噴射する事件が発生したと紹介。日本では社会全体の犯罪率が低下する一方で高齢者の犯罪率は上昇傾向にあり、全犯罪者中で高齢者が占める割合が1989年の2.1%から2019年には10倍以上の22%にまで増え、高齢者犯罪の増加が深刻な社会問題の一つとなっていると伝えた。
そして、日本で高齢者犯罪が増えている表面的な理由について「少子高齢化に伴う年金の減少、物価の上昇といった問題」を指摘。高齢者の社会参加の減少や核家族化によって孤独な毎日を過ごす高齢者が多くなっており、他人や家族とのつながりが希薄な高齢者が孤独、不満、ストレスを感じ、やがて犯罪という「刺激的」な行動を起こすとしたほか、貧困化した高齢者が経済的困難を補うために万引きに手を染めるケースも多く、場合によっては故意に盗みを働いて医療、住居、食料が保証される「監獄老後」を実現しようとする者さえいると説明した。
また、高齢者犯罪率上昇の深層的な原因として、いわゆる「団塊の世代」を中心とした戦後日本の経済・社会の好況からバブル崩壊後の停滞までを自ら経験したことによる「相対的貧困」という心理があると紹介。「相対的貧困」は高齢者世代共通の問題でああり、社会的・個人的原因による貧困とそれに伴う閉塞感が重なって不安感が増大し、犯罪に走る可能性を高めていると分析した。
文章は、岸田文雄内閣について「右傾化」を加速させ「国民生活より軍備を重視」していると主張した上で、経済発展と社会保障の充実へと舵を大きく切ることこそ、「危険水域」にある内閣支持率を挽回するとともに高齢者の犯罪行為を抑制し、さらには日本社会を停滞から脱出させるための唯一の活路かもしれないと結んでいる。(翻訳・編集/川尻)
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