大気汚染物質の排出削減でかえって地球が温暖化?―仏メディア

Record China    2023年11月24日(金) 8時0分

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20日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、大気汚染の原因となる二酸化硫黄の排出削減がかえって地球の温度を上昇させる可能性があるとする専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

2023年11月20日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、大気汚染の原因となる二酸化硫黄の排出削減がかえって地球の温度を上昇させる可能性があるとする専門家の見解を紹介する記事を掲載した。

記事は、中国北部の多くの地域で近ごろスモッグが発生し、人々の健康を脅かし道路交通に支障をきたしており、汚染物質の排出削減による大気の質の改善が再び重要課題となっているとした上で、気象学者が大気中の二酸化硫黄の大幅な低減が大気の質を改善する一方で、平均気温の上昇につながる可能性があるという最新の研究結果を発表したと伝えた。

そして、テキサス大学の准教授で大気科学が専門の徐陽陽(シュー・ヤンヤン)氏が「大気中の硫黄汚染は、太陽光を反射する日焼け止めのような役割も持っているため、石炭火力発電所を段階的に廃止し、すべての汚染物質排出施設に洗浄装置を取り付けて大気の質を改善することは、実際には地球温暖化問題を悪化させる可能性がある」と述べたことを紹介。米海洋大気庁(NOAA)地球流体力学研究所のラマスワミー所長も「二酸化硫黄の減少は、地表に到達する太陽光の増加につながり、ひいては地球温暖化の一因となる。また、太陽光が増えると地表からの蒸発量が増え、降水量が増えるため、二酸化硫黄の減少は降水量の増加も意味する」と述べたことを伝えている。

記事はその上で、気候変動に対する完璧な解決策はなく、長所と短所を天秤にかける必要があると指摘。その例として、風力発電や太陽光発電はクリーンエネルギーと考えられている一方で多くのレアメタルを必要とし、太陽光パネルや風力タービンのリサイクルについてもいまだに満足できる解決策が見つかっていないほか、風力発電設備は鳥や動物にとって有害な側面を持つとした。

また、大気の質の改善と汚染物質の排出削減は、気候変動だけでなく人々の健康や農作物への被害にも関係しているとし、一部に弊害は存在するものの、それでも二酸化硫黄の排出を削減することの重要性が明らかであることには変わりないとの見解を示した。

さらに二酸化硫黄の削減と降雨量の増加との因果関係をどう評価すべきかという点にも言及。2013〜21年に中国の二酸化硫黄の年間排出量が87%も減少すると同時に、14年以降中国の平均気温は確かに0.7度上昇したという研究結果があるものの「必ずしも両者の因果関係を示しているわけではない」と指摘するとともに、中国各地で発生した洪水は、上流ダムからの予備放流が行われなかったことや、都市の排水システムが十分に機能していなかったことが主な原因だと考えられていることを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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