Record China 2023年11月28日(火) 5時0分
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ドイチェ・ヴェレは11月26日、沖縄県にある嘉手納空軍基地が米国のインド太平洋戦略にとっていかに重要であり、同基地を西太平洋エリアの「重要なリンク」と見なしているかとの論評を掲載した。
ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は11月26日、沖縄県にある嘉手納空軍基地が米国のインド太平洋戦略にとっていかに重要であり、同基地を西太平洋エリアの「重要なリンク」と見なしているかとの論評を掲載した。
嘉手納基地は米軍最大級の軍事施設の一つであり、米空軍最大かつ最強の第5空軍が駐屯しており、F-15イーグル、F-22ラプターなど戦闘機に加え、偵察機、早期警戒機、空中給油機などが配備されている。
記事は、「嘉手納基地が過去朝鮮戦争やベトナム戦争期間に米空軍の作戦で重要な役割を果たし、日ごとに強勢さを増すライバル中国に対応するため、現在でも重要な位置づけである」とし、「嘉手納は上海からわずか443カイリ(約820キロメートル)の距離にあり、台湾北端にも近く、もし中国が武力による台湾奪取を決定した場合、嘉手納は最前線となる」と指摘した。
記事は匿名希望の米空軍関係者の話として、「嘉手納は太平洋の要衝であり、第5空軍第18航空団の使命は同盟国を安心させ、地域の侵略を抑止し、第1列島線(九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるライン)を防衛することだ」と伝えた。
また、「中国は第1列島線の突破を重要目標としており、米国とその同盟国は紛争や攻撃が発生した場合、中国軍を第1列島線内で封鎖すれば、中国海軍の艦艇が監視なしに太平洋を自由に航行できなくなることを期待している」と述べ、「嘉手納基地の米軍機は、複数国家が領有権を主張し、中国軍が一方的に占拠・要塞化している環礁のある南シナ海の空域で定期的なパトロール任務を実行している」と説明した。
記事によると、米空軍関係者は「米国の当該地域における作戦活動は国際空域で行われており、国際的なルールと秩序の遵守が確保されている。中国と米国の空軍機が西太平洋エリアの全域で相互にけん制し合うことは珍しいことではない」と語った。
テンプル大学ジャパンキャンパスのマイケル・キューセック(Michael Cucek)国際関係学教授は、「沖縄の地理的な位置は、朝鮮半島から南シナ海にいたる西太平洋で軍事作戦を行う際に極めて理想的だ」と述べ、「嘉手納はこの地域における米空軍戦力の要であり、台湾や中国に近いため、日本南部の空域援護を提供している」と指摘する。
米国は沖縄に空軍だけでなく、米海兵隊、米陸軍、米海軍も配備しており、自衛隊やインド太平洋地域やさらに遠くのパートナーとも密接な協力関係にある。沖縄駐屯の米海兵隊第3海兵遠征軍は、嘉手納から南に数キロメートル離れた普天間航空基地に司令部を設けており、現在約1万8000人が県内7基地に駐屯している。
記事によると、海兵隊関係者は「われわれは命令待機中の前方展開部隊であり、日本に駐留しなければ即応部隊として機能しない」「わが国の政府は中国が脅威であることを明確に示しており、われわれは必要な時この地域でいつでも対応できる」と述べた。さらに別の関係者は、「海兵隊の重点は訓練から即応展開へシフトしており、5年前の任務概念にはなかったことだ。これは中国の地域に対する悪意ある活動や北朝鮮の武力威嚇、米国に対するロシアの強硬姿勢などが生み出した結果である」と述べた。
一方、米陸軍は沖縄県内でPAC3地対空誘導弾パトリオットミサイルを展開しているが、記事は「そのプレゼンスは比較的小さい」と評した。
キューセック教授は、「西太平洋における米国の軍事プレゼンスの拡大は、米国がこの地域で強権を握ろうとする決意の表れである。1990年代に地域の要だったフィリピンのクラーク空軍基地やスービック湾海軍基地が撤収を迫られた際、それらの機能を沖縄に移転させた」と述べ、「中国の台湾に対する圧力が日ごとに増し、中国政府が頻繁に武力による台湾奪取を暗示する脅威を行っていることを考えれば、沖縄に駐屯する米軍の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはない」と指摘した。
同教授はまた「中国が台湾進攻に際して米軍制圧を試みた場合、沖縄は前線となる。いかなる形でも銃撃が一旦始まれば、米国はそれに加わり、より広範な戦争が不可避となり、日本も巻き込まれる」と述べた。(翻訳・編集/榊原)
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