「介護殺人」頻発、日本人の絶望はあまりにも深い―中国メディア

Record China    2023年12月3日(日) 5時0分

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30日、広州日報傘下の雑誌「南風窓」は、日本で介護疲れによる高齢者殺害事件が頻発していることを紹介する記事を掲載した。

2023年11月30日、広州日報傘下の雑誌「南風窓」は、日本で介護疲れによる高齢者殺害事件が頻発していることを紹介する記事を掲載した。

記事は、神奈川県で昨年11月、40年間介護を続けてきた半身不随の妻を海に突き落として死なせたとして、82歳の夫が今年7月に懲役3年の実刑判決を受け、「妻の面倒は自分1人で見なければならない」という強い思いが事件を引き起こすことになったと紹介。日本ではこのような殺人は「介護殺人」と呼ばれ、長年介護を担ってきた一般市民が犯行に及ぶことが多いものの、ある意味で彼らは加害者であると同時に被害者でもあるとした。

そして、警察庁の「介護疲れ」犯罪統計によると2007〜14年の間に殺人罪で356人、自殺教唆・ほう助罪で15人、傷害致死罪で21人が検挙されたほか、内閣府のデータでは07〜15年の介護疲れ関連自殺者は2515人に上り、その約6割に当たる150人が60歳以上の高齢者だったことが明らかになったと紹介している。

その上で、「尊厳ある老い」には、比較的健康な体やある程度の自活能力など、多くの前提条件を必要とするのが現実であり、自分の生活を徐々にコントロールできなくなり、何の前触れもなく病気が発症する高齢者は自身のみならず、介護を引き受けた家族でさえ日々消耗していき、良識と尊厳を保つことが難しくなっていくと指摘。殺人を犯した介護者がうつ病を患っているケースも多く、ある非営利団体の推計によれば、家族介護者の20%がうつ病を患っており、その割合は一般人口の2倍に上ると紹介し「介護者は外に出て社交的になる機会も気力も失われ、心身の疲弊とともに孤立感を募らせてしまう」と伝えた。

記事は、介護疲れや関連犯罪が後を絶たない背景の1つに、介護を「強いられた」家族に専門的な知識やリソースが不足し、苦しんでいる可能性があることを挙げた。そして、家族介護者は親族としてのつながりがある故に「愛する人の変化に理性的に対応できない」可能性が高いとし、家族介護者に対しては介護方法の指導に加え、心理的ストレスを和らげ心理状態を調整するためカウンセリングなど、専門的な支援が必要なのだと伝えた。また、専門家からは、社会が家族介護者に対する理解を深め、サポートする必要性を指摘する声が出ていると紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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