サプライチェーンが中国から移れば、米国は割を食うことになる―香港紙

Record China    2023年12月4日(月) 9時0分

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1日、環球時報は、「サプライチェーンを中国から移せば、米国は得るものよりも失うものの方が多い」とする、香港メディアの評論を紹介する記事を掲載した。資料写真。

2023年12月1日、中国メディアの環球時報は、「サプライチェーンを中国から移せば、米国は得るものよりも失うものの方が多い」とする、香港メディアの評論を紹介する記事を掲載した。

記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの11月29日付文章を引用。米国政府が新型コロナ期間に重要製品の安定供給を確保するため「弾力性のあるサプライチェーン」の開発に力を注いだことについて、英誌エコノミストによる1万7000種類の商品を対象とした調査の結果、ほとんどのサプライチェーンは新型コロナ時にも正常に機能していたことが明らかになったとし「サプライチェーンを中国からシフトさせようとする動きが、サプライチェーン寸断回避ではなく、中国のサプライチェーン依存に対する懸念を理由としている可能性が示唆された」と伝えた。

そして、近年、一部の米国企業はサプライチェーンを多様化して「中国からの生産移転」という米国政府の目標に迎合する一方で、意図しない結果を招いている可能性もあると指摘。まず「中国からの生産移転は少なくとも近い将来、サプライチェーンの弾力性を高めることはない」とし、東南アジア諸国は安価な労働力を提供できるものの、原材料や部品の輸入は中国に依存しており、結局のところ中国への依存を脱却できないばかりかサプライチェーンが複雑化して混乱に対し一層脆弱(ぜいじゃく)になる恐れがあるとした。

また、中国一国ではなく複数の国のサプライヤーから調達するために海上輸送や陸上輸送が増加すれば、炭素排出量が増加する可能性があるとし、多角化戦略が現在の気候変動対策の取り組みに逆行することになると指摘した。

さらに、サプライチェーンの運営管理コストも増大するとし、輸入関税の引き下げや補助金の支給がコスト削減に寄与するのはあくまで短期的なものであり、長期的に見れば、企業は調達先の分散により生じた追加コストの回収に注力し、消費者物価が上昇する可能性が高いとした。

同紙は最後に「サプライチェーン運営ではシンプル・イズ・ベストだ」とし、世界のサプライチェーンが簡素化しない限り、米国による中国からのサプライチェーン移転計画は奏功しない可能性が高いと結んでいる。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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